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2003 年度 実績報告書

地球化学プロセスによる地盤中有害重金属の溶出性制御

研究課題

研究課題/領域番号 14350259
研究機関九州大学

研究代表者

和田 信一郎  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (60108678)

研究分担者 中川 啓  鹿児島大学, 農学部, 助教授 (90315135)
佐伯 和利  九州大学, 生物環境調節センター, 助教授 (30284780)
キーワード土壌汚染 / 重金属 / 不溶化 / 粘土鉱物 / 層状ケイ酸塩 / 酸化物鉱物
研究概要

昨年度に引き続き,フッ化物イオンを三八面体型スメクタイトの骨格に取り込んで不溶化する反応のモニタリングを継続した.つまりマグネシアとシリカの混合物にフッ化ナトリウムを添加し,生成物と,フッ化物イオン濃度を継続してモニタリングした.フッ化物イオンが存在したほうがスメクタイト生成反応が早く進行し,通常1ヶ月程度では観察できない001反射を与えるものが生成した.ただ,共存溶液のフッ化物イオン濃度は環境基準を下回るまでは短時間では低下せず,単独で適用できる不溶化技術としては問題あることがわかった.他の,短時間で効果のある方法と組み合わせることが必要と思われた.
今年度は,フッ化物イオンの不溶化だけでなく,鉛などの重金属イオンの不溶化も対象とした.方法としては,ゼオライト,炭酸塩,アロフェン質土などを添加し,これらと鉛イオンの反応を利用した不溶化技術における基礎反応と,それぞれの鉱物の寄与を判定することを目的とした.人工鉛汚染土にこれらの資材を単独あるいは複合して添加し,時間をおって鉛の形態変化,酸性化に対する溶出抵抗性を測定した.炭酸塩は,土のpHを上昇させることにより,ゼオライトは陽イオン交換基への吸着により重金属イオンの溶出を抑制した.そしてこれらを混合施用すると,酸性化に抵抗力のある溶出抑制技術となることがわかった.ただし,添加された炭酸塩を消費し尽くすほど高濃度の酸が大量に添加された場合には,むしろ未処理土よりも大量の鉛イオンを溶出させた.このようなことはありにくいことではあるが,適用には注意が必要であると考えられた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Wada, S.-I., Ono, H: "Simple method for determination of carbonate adsorption at elevated carbon dioxide concentration"Clay Science. 12. 97-101 (2003)

  • [文献書誌] Kondo, Y., Nakanishi, R., Wada, S.-I.: "Properties of hydroxyaluminum silicate ions formed by instantaneous mixing of sodium orthosilicate ans aluminum chloride solutions"Clay Science. 12. 81-84 (2003)

  • [文献書誌] 佐伯和利, 井上博通, 和田信一郎: "カオリナイトとベントナイトにおける銅イオンと亜鉛イオンの関与するイオン交換選択係数"環境科学会誌. 16. 369-376 (2003)

  • [文献書誌] 佐伯和利, 桜井恵子, 井上博通: "カルシウム飽和させたカオリナイトとベントナイトにおけるカドミウムイオンと亜鉛イオンのイオン交換選択係数."日本土壌肥料学雑誌. 74. 653-656 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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