研究分担者 |
石川 裕彦 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60263159)
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10111981)
植田 洋匡 京都大学, 防災研究所, 教授 (70026186)
小林 智尚 岐阜大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50205473)
安田 孝志 岐阜大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10093329)
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研究概要 |
本研究は,波浪の伝播・変形に対して水深の影響が介入する波浪浅水変形海域における,大気・海洋間のエネルギー移流機構を大気乱流・波浪・広域海浜流相互作用系として捉えるモデルの確立を主目的とする。 平成14年度の研究実績の概要は以下のようである。 (1)大気乱流場の観測と数理・数値モデル:車載型のドップラーソーダ(超音波ドップラー風速分布計)と3成分超音波風速計アレイを,観測桟橋を中心とする沿岸海域に設置し,沿岸域接地境界層および海上での平均風速または乱流特性の時空間分布の観測を行った。 (2)さらに,メソ気象モデルMM5を用いた風域場のシミュレーションにより観測データの再現性を検討した。これにより,MM5の冬季季節風の風域場への適用性の検討およびその改良点を明確にした。 (3)波浪場の観測と数理・数値モデル:Xバンドの船舶レーダー,観測桟橋の超音波波高計群,海底設置型波高計群により,波浪の浅水変形海域における変形,特に白波砕波によるエネルギー減衰特性の波形勾配依存性を検討した。今後このデータを用いて,波浪推算モデルのエネルギー散逸項の定式化を行うとともに,SWANコードへの導入を検討する。 (4)広域海浜流の観測と数理・数値モデル:2台の高周波ADCPによる広域海浜流の平面観測を冬季季節風時に波浪場,風域場の観測と同期して実施した。この観測データと3次元数値モデルによる追算結果との比較において,数値モデルの適用性の改良を行う予定である。 (5)以上の研究成果をまとめて,大気・波浪・広域海浜流相互作用系の数理モデルにどのように取り込んでくるべきかを検討している。
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