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2002 年度 実績報告書

浮遊泥採取装置の実用化とこれを用いた内湾域における浮遊泥の堆積機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14350269
研究種目

基盤研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

日比野 忠史  広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50263736)

研究分担者 高橋 暁  産業技術総合研究所, 海洋資源環境研究部門, 主任研究員 (30357371)
尾崎 則篤  広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50294541)
駒井 克昭  広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90314731)
キーワード海底浮遊泥 / 採泥器 / 堆積密度 / 栄養塩 / 巻き上がり / 閉鎖性海域
研究概要

本研究の第一の目標である採泥装置の完成は本年度で概ね達成することができた.採泥精度は,本装置によって採取された海底泥と,潜水により直接採水・採泥された海底泥とを比較することで確認された.
作成した浮泥採取装置を用いて,20mを超える水深の海底において直上水・浮遊泥・堆積泥を同時に,かつ,不撹乱の状態での採取できることを確認できた.さらに,採取泥の層切りシステムを作成し,このシステムを用いて十分な精度で分析用サンプルの作成ができることが確認された.来年度はさらに改良し,採泥の確実性の向上を図る.
第二の目標は本装置を用いた採泥調査によって浮遊泥の実態を把握し,その堆積分布を明らかにすることである.本年度は,季節の異なる7回の観測によって,採取泥の季節的な変動特性を把握することができた.これらの観測から以下を明らかにした.
浮遊泥は閉鎖性の強い海域に蓄積される傾向があることが確認された.浮遊泥に含まれる栄養塩の特性として,(1)浮泥を堆積換算すると浮泥中に含まれるT-Nは直上水の約17000倍,T-Pは約30000倍であること.(2)T-NとT-Pは浮泥での値が大きいほど直上水中の値が大きくなる(比例関係)傾向にあること.(3)直上水中のI-N、I-Pと比較すると,浮泥の巻き上げ等に伴う間隙水の直上水への流入による直上水中のI-N、I-Pへの影響は小さく,浮泥自体が多量に海水中に浮上することの影響のほうが大きいことが確認された.
また,浮泥厚は季節的に変動し,夏季に多くなることが観測された.しかし,どのような機構によって,浮泥が形成される(あるいは,再生される)かについては,来年度以降の調査,解析によって把握することになる.

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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