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2002 年度 実績報告書

雲物理モデルの改良と長大立坑に出現する人工雲の制御方法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14350270
研究機関中央大学

研究代表者

山田 正  中央大学, 理工学部, 教授 (80111665)

研究分担者 藤吉 康志  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40142749)
平野 廣和  中央大学, 総合政策学部, 教授 (80256023)
樫山 和男  中央大学, 理工学部, 教授 (10194721)
太田 幸雄  北海道大学, 工学部, 教授 (00100058)
藤田 睦博  北海道大学, 工学部, 教授 (80001139)
キーワードエアロゾル / 雲物理実験 / 雲物理モデル / 上昇風速 / 人工降雨 / 数値シミュレーション / エアロゾルの化学成分
研究概要

長大立坑(高さ425m)を利用した実スケール雲物理実験をおこなった。これは、人工的に上昇風速を発生させるとともに、大気中へ雲粒の核となるエアロゾルを噴霧し、より雲が生成しやすい条件を作ることで、立坑内に人工雲が発生させるものである。この実験により得られた基礎データ及び結果を、新しく開発をしている大気中のエアロゾルの効果を考慮した降雨シミュレーションモデルの結果と比較を行なった。以下に本年度の研究により得られた知見を示す。
1,実験施設内への流入大気の気象条件を(上昇風速,エアロゾル数濃度)を制御したことにより、(1)上昇風速を大きくするに伴い、発生する雲粒の量が増加した。これは上昇風速の増加により、より多くのエアロゾルが凝結高度に達していると考えられ、雲生成過程に上昇風速の大きさも影響を与えている。
(2)散布するエアロゾル数濃度を増加させると、発生する雲粒の量が増加した。このとき、散布したエアロゾルは各粒径とも定量的に増加させたにも関わらず、立坑上端で観測された粒径分布は粒径の大きい粒子ほど増加していた。
(3)今回の観測においては、エアロゾルを溶液として噴霧させただけでなく、エアロゾルの溶液を乾燥させ、エアロゾルのみを噴霧した。これにより、エアロゾルの凝結成長を、より詳しく解明することができた。
2,立坑内の気温の鉛直分布は、雲発生前と後では異なっていることが確認できた。さらに、雲発生時における雲底以上の高度において立坑内の気温の減率が、湿潤断熱減率よりも小さな値であった。このことは、新しく開発している降雨シミュレーションモデルによっても同様の結果が確認された。この結果より、降雨発生にはエアロゾルが大きく関与しており、降雨の再現計算を行なう際にはエアロゾルを考慮する必要がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 深和 岳人: "オープン型鋼製砂防ダムの礫補足効果に関する個別要素法解析と確立的評価"土木学会論文集. No.703 I-59. 165-176 (2002)

  • [文献書誌] Assela PATHIRANA: "Idealized Simulation of Airflow over a Mountain Ridge Using a Mesoscale Atemospheric Model"水工学論文集. 第47巻. 31-36 (2003)

  • [文献書誌] 土屋 修一: "降雨の時間特性に関する研究"水工学論文集. 第47巻. 139-144 (2003)

  • [文献書誌] 山田 正: "山地流出の非線形性に関する研究"水工学論文集. 第47巻. 259-264 (2003)

  • [文献書誌] 武内 慶了: "複断面開水路流れにおける大規模水平渦の発生と発達"水工学論文集. 第47巻. 475-480 (2003)

  • [文献書誌] 狩野 学: "関東地方における海陸風が水蒸気混合比に与える影響に関する研究"水文・水資源学会. 2002年号. 220-221 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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