研究課題/領域番号 |
14350278
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
清田 勝 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40153241)
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研究分担者 |
山田 雅彦 佐賀大学, 医学部, 助手 (70281201)
井上 伸一 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (80260727)
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キーワード | 通学路 / 安全性 / 交通安全対策 / ナンバープレート調査 / アンケート調査 / 生理学的評価 / 行動学的評価 |
研究概要 |
自動車とすれ違う歩行者の危険回避行動調査と心拍実験から、30km/hの制限速度は歩行者にとって安全ではなく、20km/h程度に抑制する必要があることが明らかになった。 この結果を踏まえて、通過交通の削減と走行速度の抑制を日的とした二つの安全対策が検討された。一つは対象地区(佐賀市日新・新栄地区)のほとんどの道路に20km/h速度規制を掛けるとともに、速度抑制デバイスの一種であるハンプを設置する対策である。二つ目は、対象地区への4箇所の流入部に通学時間帯(7:00-8:30)に限って指定方向外進行禁止(進入規制)を掛ける対策である。前者は主に車の走行速度を低減させるための対策であり、後者は通過交通を排除するための対策である。 これらの安全対策がどの程度対象地区の交通環境の改善に有効であるかを評価するために、社会実験が実施された。第1期(11月17日〜12月7日)では、『20km/h速度規制とハンプの設置』が通過交通の排除や速度抑制にどの程度有効であるかを検証した。その結果、ハンプは通過交通の排除にはほとんど機能しないが、速度抑制には効果があることが分かった。速度調査を実施した12箇所の道路全体では、3km/h平均速度が低下した。比較的幅員が広く、走行速度が速い道路では5km/h走行速度が低下した。ハンプは平均速度を低下させる効果よりも、高速の車を排除する効果の方が大きいことが明らかになった。また、児童や保護者、地区住民に関するアンケート調査から、これまでにくらべて安全性が向上したことが明らかになった。しかし、その評価は、毎日通学している児童たちの方が大人より低いことが分かった。保護者と地区住民の80%が今後もこの安全対策を継続して欲しいと答えているのに比べて、児童は45%程度であった。 12月8日から指定方向外進行禁止(進入規制)が追加された第2期の社会実験が始まった。進入規制が掛かった道路の交通量は激減したが、他の流入部からの交通量が増加し、交通量全体ではあまり減少しなかった。地区によって差異があるが、70〜80%の住民が進入禁止の継続を望んでいることが分かった。保護者と地区住民の90%、児童の80%が両方あるいは一方の対策を支持していることが明らかになった。 子供たちも保護者や地区住民も安全対策を支持にもかかわらず、沿道住民のうるさくて眠れないという強い反対で、22個のハンプの内14個が撤去された。 騒音や振動が発生しにくいハンプの形状や施工方法を今後検討する必要がある。
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