研究課題
基盤研究(B)
大腸菌ファージQβおよびMS2を用いて、アルミニウム系凝集剤による不活化実験を行い,さらにフロック溶解法を検討した。その結果,以下の結論が得られた.(1)研究で検討したフロック溶解法では、フロック溶解時間を延長することにより、フロックが溶解され、フロック溶解時間を5時間とした場合にウイルスの回収が最大となるため、溶解時間を5時間と設定することが妥当であると考えられた。(2)本研究で用いた4種類の凝集剤(PAC、AlCl_3、硫酸バンド、Al_2(SO_4)_3)はいずれもQβ、MS2を不活化させた。(3)凝集剤間では、PACが他の凝集剤に比べ、最も不活化効果が高かった。(4)同じ条件下ではMS2よりもQβの方が不活化された。(5)河川水中では、Qβの不活化効果が抑制された。本研究では、pH9.5のBE溶液と混合後5時間のボルテックス攪拌を行うという、凝集フロックからの適切なウイルス回収法を確立した。このことから、本研究で確立したウイルス回収法を用いて昨年と同じ不活化実験を検証したところ、アルミニウム系凝集剤によってウイルスが不活化されることがわかった。しかし、そのウイルス不活化のメカニズムを解明するまでは至っていない。今後、ウイルス不活化について更なる検討が必要であり、これらの知見がウイルス不活化のメカニズムを考える上で一つの材料となると期待される。
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Proceedings of AWWA Membrane Technology Conference 1(CD-ROM)
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