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2003 年度 実績報告書

岩国錦帯橋における伝統技法と強度に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14350295
研究機関東京大学

研究代表者

腰原 幹雄  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50334321)

研究分担者 大橋 好光  熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (70160603)
坂本 功  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011212)
キーワード木橋 / 岩国 / 錦帯橋 / 経年変化 / 静的載荷
研究概要

平成15年度は,経年変化と,鞍木・助木の効果の検証実験を実施した.
経年変化は,第2橋(築約50年),第3橋(築1年),第4橋(新築)の鉛直変位を14〜28日間隔で計測し,その形状変化,温湿度の変化を計測した.その結果,季節・温度による鉛直変位の上下変動はあるものの,築1年以上経過した第2,3橋はほぼ上下に振れる中立軸が一定で安定状態となっているが,新築の第4橋は,温度による上下変動しながらその中立軸は,全体的に沈下傾向にあった.第4橋の橋中央での沈下は築後1年間で約30mmとなり,第3橋の1年間の沈下量とほぼ同じ値となった.これにより,施工後の「がた」や,木材の収縮による変動は,1年程度で安定することがわかり,その値は約30mm(橋スパンに対して約1/1200)であることがわかった.
鞍木・助木の効果は,錦帯橋独特の部材である鞍木・助木を取り外す前後に振動実験・静的載荷実験を行い,その挙動の変化を比較することによって,鞍木・助木の効果を検証した.これによると, 振動実験から,歩行時などの数mm程度の振幅時の鞍木・助木の剛性への寄与は,全体の約40%にのぼること, 静的載荷実験から,30t積載時には45%, 60t(350kgf/m^2)積載時には65%も剛性に寄与していること がわかった.
これらより,錦帯橋独特の部材である鞍木・助木が意匠部材ではなく,構造部材として重要な役割を持つ部材であることが実証された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 松田昌洋, 腰原幹雄, 坂本功, 金惠園: "岩国錦帯橋に関する研究 その4 橋桁端部の回転剛性"日本建築学会大会学術講演梗概集. C1. 469-470 (2003)

  • [文献書誌] 金惠園, 腰原幹雄, 松田昌洋, 坂本功: "岩国錦帯橋に関する研究 その5 部分模型による静的せん断実験"日本建築学会大会学術講演梗概集. C1. 471-472 (2003)

  • [文献書誌] Mylene Devaox, 腰原幹雄, 坂本功, 金惠園, 松田昌洋: "岩国錦帯橋に関する研究 その6 錦帯橋のモデル化"日本建築学会大会学術講演梗概集. C1. 473-474 (2003)

  • [文献書誌] 腰原幹雄: "錦帯橋の構造特性木の建築"木の建築フォラム 岩国 資料集. 31-54 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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