研究概要 |
平成15年度は,経年変化と,鞍木・助木の効果の検証実験を実施した. 経年変化は,第2橋(築約50年),第3橋(築1年),第4橋(新築)の鉛直変位を14〜28日間隔で計測し,その形状変化,温湿度の変化を計測した.その結果,季節・温度による鉛直変位の上下変動はあるものの,築1年以上経過した第2,3橋はほぼ上下に振れる中立軸が一定で安定状態となっているが,新築の第4橋は,温度による上下変動しながらその中立軸は,全体的に沈下傾向にあった.第4橋の橋中央での沈下は築後1年間で約30mmとなり,第3橋の1年間の沈下量とほぼ同じ値となった.これにより,施工後の「がた」や,木材の収縮による変動は,1年程度で安定することがわかり,その値は約30mm(橋スパンに対して約1/1200)であることがわかった. 鞍木・助木の効果は,錦帯橋独特の部材である鞍木・助木を取り外す前後に振動実験・静的載荷実験を行い,その挙動の変化を比較することによって,鞍木・助木の効果を検証した.これによると, 振動実験から,歩行時などの数mm程度の振幅時の鞍木・助木の剛性への寄与は,全体の約40%にのぼること, 静的載荷実験から,30t積載時には45%, 60t(350kgf/m^2)積載時には65%も剛性に寄与していること がわかった. これらより,錦帯橋独特の部材である鞍木・助木が意匠部材ではなく,構造部材として重要な役割を持つ部材であることが実証された.
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