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2002 年度 実績報告書

地域の林業再生を目指した信州産からまつ集成材の大規模木質構造物への利用

研究課題

研究課題/領域番号 14350299
研究機関信州大学

研究代表者

笹川 明  信州大学, 工学部, 教授 (00017922)

研究分担者 森 拓郎  京都大学, 木質科学研究所, 助手 (00335225)
橋爪 丈夫  長野県林業総合センター, 木材部, 部長
武田 孝志  信州大学, 農学部, 助教授 (50242673)
キーワード集成材 / カラマツ / 曲げ実験 / クリープ実験
研究概要

本年度行った実験は、信州産カラマツ集成材の曲げ強度実験と曲げクリープ実験である。
・曲げ強度実験について
本実験は、大断面集成材の曲げ強度特性、破壊形態の把握が目的である。試験体は、材せい600mmを7体(10-1〜7)、800mmを7体(14-1〜7)の2種類で、共にラミナ厚25mm、幅150mmである。試験体長さは、日本農林規格による曲げ試験の方法に準拠して決定している。
実験結果より、強度は10-1〜7で平均28.2[N/mm^2]、14-1〜7で平均31.8[N/mm^2]となった。森の作成した強度推定モデルとの比較を行い平均値で比較すると、10-1〜7では実験値28.2[N/mm^2]に対し28.8[N/mm^2]、14-1〜7では実験値31.8[N/mm^2]に対し29.3[N/mm^2]と近い値を示しており、作成した強度推定モデルは大断面集成材に対しても精度良く推定が可能であることが分かった。
破壊過程は、10-1〜7ではフィンガージョイント(以下F.J.)から破壊したものが6体、健全部分から破壊したものが1体であった。14-1〜7ではF.J.から破壊したものが3体、節から破壊したものが4体であった。
破壊形態の違いと破壊強度との関連性は見られなかった。
・曲げクリープ実験について
本実験では、長野県内の環境の異なる北信(長野市)、東信(上田市)、中信(塩尻市)、南信(飯田市)の4地域で大断面集成材の曲げクリープ実験を行った。
試験体は、ラミナ厚25mm、幅150mm、材せい600mm、試験体長さ10,700mmである。載荷は、2002年6月に開始した。継続荷重は44.1kNであり、これは応力比0.36に相当する。測定は、中央変位及び温湿度を電気式計測器にて1時間毎、両支点部の変位をダイヤルゲージにて1ヶ月毎に行っている。
実験経過について、各試験体とも温度が上昇すればクリープが進行し、温度が低下すればクリープが回復する季節変動を示した。また、湿度が上昇すればクリープが回復し、湿度が低下すればクリープが進行する傾向も見られた。4地域の平均気温、平均湿度には明確な差は見られなかったが、1日の温湿度の変化量には大きな差が見られ、1日の温湿度の変化量が大きい地域程、相対クリープが大きくなることが分かった。現在も載荷を継続し、データを蓄積中である。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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