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2004 年度 実績報告書

地域の林業再生を目指した信州産からまつ集成材の大規模木質構造物への利用

研究課題

研究課題/領域番号 14350299
研究機関信州大学

研究代表者

笹川 明  信州大学, 工学部, 教授 (00017922)

研究分担者 武田 孝志  信州大学, 農学部, 助教授 (50242673)
橋爪 丈夫  長野県林業総合センター, 木材部, 部長(研究職)
森 拓郎  京都大学, 生存圏研究所, 助手 (00335225)
キーワードクリープ / 継ぎ手接合 / 伝統的構法 / 曲げ耐力 / 木ダボ / 集成材
研究概要

本年度は、クリープ実験の総括を行った。まず、長野県内の4地域におけるクリープ変形の比較については、一日における温度と湿度の変化が大きかった地域の試験体が、大きな値を示し、過去に行った小さい断面の実験と同様の結果を得た。このことから、乾湿繰り返しや温度の上昇下降によって、クリープ変形は大きな影響を受けることを再確認した。また、材料性能を確認しておくために破壊実験を行い、その特性を明らかにした。その結果、実験開始時からのヤング係数の低下などは見られず、この程度の期間では、材料特性については、大きな変化はないと考える。破壊実験の結果より実際にかかっていた応力は、応力比で、0,29-0.49であり、大きいものについては、長期許容応力を大きく上回る応力であったことがわかった。しかし、どの試験体においても破壊に向かう3次クリープへの移行は見られなかった。
もう一つの課題として、大規模木質構造に用いるための継ぎ手接合法を提案した。この方法は、接合金物軽減を第一として考えた昨年度の仕口接合法に続くものであり、伝統的構法の追掛け大栓継ぎ及び相欠き継ぎ手の応用版である。それぞれ2種類ずつ梁せい600mmと800mmの材を用いて製作し、曲げ実験を行うことによって、その接合効率について検討した。追掛け大栓継ぎに関しては、補強用にラミナをはりの上下面に釘打ちし、その結果、約30%の接合効率を発揮することができた。また、相欠き継ぎ手に関しては、補強用にラミナをダボ留めすることで、全く金物を用いない接合法を確立し、その結果、約25-30%の接合効率を発揮することができた。なお、接合効率の対照としている実験は、一昨年度の大断面集成材の曲げ実験である。このことにより、大断面集成材を用いた建築物ではあまり検討されていなかった木質材料だけでの接合部の構築の可能性を示すことができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 大断面集成材を用いた木質ラーメン構造の柱-梁接合部に関する研究-通し貫接合部を用いた場合2004

    • 著者名/発表者名
      嶺岡 慎吾, 神戸 渡, 森 拓郎, 橋爪 丈夫, 武田 孝志, 齋藤 潔, 笹川 明
    • 雑誌名

      2004年度 日本建築学会大会学術講演梗概集 C-1

      ページ: 329-330

  • [雑誌論文] Bending strength of large Japanese larch glued laminated timber2004

    • 著者名/発表者名
      W.Kambe, T.Mori, T.Hashizume, T.Takeda, A.Sasagawa
    • 雑誌名

      Proceedings of the 8^<th> World Conference on Timber Engineering Volume II(CD-ROM)

      ページ: 607-612

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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