研究課題/領域番号 |
14350312
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鎌田 元康 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70011228)
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研究分担者 |
坂本 雄三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30114490)
倉渕 隆 東京理科大学, 工学部, 教授 (70178094)
桑沢 保夫 国土交通省, 国土技術政策総合研究所, 環境・設備基準研究室長(研究職) (30251341)
今野 雅 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (10312977)
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キーワード | 通風 / 通風の局所相似モデル / 壁面接線方向動圧 / 開口部 / 全圧 / 風圧 / 流量係数 |
研究概要 |
本年度は、通風の力学的相似性に基づく高精度通風量予測モデル(通風の局所相似モデル)の実用化に向け、モデル検証実験を継続して行うとともに、本モデルで新たに必要となるパラメータ、壁面接線方向動圧の簡易測定法に関する検討を行った。 開口部周辺に障害物が存在する状況を想定し、開口部両端に突起物がある場合、隣棟建物がある場合について検証を行った。この場合、開口周辺の気流性状は通風量によって変化するが、`各状況におけるパラメータ(全圧、室圧、通風量)を評価することで、障害物の有無によらず開口の無次元室内圧P_R^*により流量係数が一意に表される(通風の局所相似モデルの成立)ことを確認した。しかし、実用化を考えると各状況の全圧を評価することは困難である。そこで、通風量予測精度に焦点を絞り、流量係数が変化する状況下で全圧を評価することの妥当性を実証した。また、袖壁などの突起物により、風圧を積極的にコントロールするとともに壁面接線方向動圧を抑制することで、通風量を促進することが可能になることが示唆された。 開口を壁面の様々な位置に設置し通風性能を評価した。その結果、(1)接近流の開口面接線方向の向きが変化する場合、あるいは、(2)流入気流の進路を妨害する室内壁(天井・床を含む)がある場合にP_R^*と流量係数の関係に若干の変化が確認された。この現象をCFDおよび風洞実験により考察し、開口部および壁面での気流衝突による静圧上昇によるものであることを示した。 Irwin(1981)により、風洞実験における歩行者レベルの水平面風速を測定するためSurface wind sensorが提案されている。このセンサーを壁面に適用し、壁面接線方向動圧を導く手法を示した。この手法で求めた圧力と風圧の和として導いた全圧と、開口部で直接測定した全圧は良好な対応を示し、この手法の妥当性を実証した。
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