研究課題/領域番号 |
14350332
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研究機関 | 独立行政法人建築研究所 |
研究代表者 |
林 吉彦 独立行政法人建築研究所, 防火研究グループ, 上席研究員 (70212157)
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研究分担者 |
佐賀 武司 東北工業大学, 工学部建築学科, 教授 (50085437)
大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90251470)
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
成瀬 友宏 独立行政法人建築研究所, 企画部, 国際研究協力参事 (50237624)
遊佐 秀逸 独立行政法人建築研究所, 防火研究グループ, 所付 (70344009)
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キーワード | 市街地火災 / 火の粉 / 飛び火 / 跳躍延焼 / 火災風洞実験 / CFD(計算流体力学) |
研究概要 |
1.本研究の目的 有風下の火災家屋から発生する火の粉の性状や挙動を解明するために火災風洞実験を実施し、実験結果を、CFD(計算流体力学)と組み合わせて、火の粉による延焼シミュレーションモデルを構築する。 2.研究成果 (1)火の粉の発生に関して 建築研究所の火災風洞に防火木造家屋を設置し、流入風速等を系統的に変化させ、発生する火の粉の量、形状、大きさ等を時系列的に計測した。これらの実験結果を基に、有風火災家屋からの火の粉の発生量等を一般化した。 (2)火の粉の飛散に関して 火の粉の飛散範囲を予測するために、米国NISTのFDS(Fire Dynamics Simulator)をベースに改良を加え、数値シミュレーションモデルを構築した。火災による急激な温度変化・密度変化に対応するほか、飛散粒子に作用する抗力、揚力なども考慮されている。当該モデルは、和歌山県白浜温泉火災での火の粉の飛散範囲に関する実態調査結果を基に、十分な検証が行われた。 火の粉に見立てた木片を試験体として、コーンカロリーメータ試験を実施し、発熱速度や質量変化を基に、火の粉飛散時の熱的挙動を明らかにした。 (3)落下火の粉の熱的加害性について 地震直後の屋根瓦の脱落した状況では、屋根を構成する木材が露出するため、飛び火被害の潜在的危険性が高くなる。これを鑑み、阪神淡路大震災後の神戸市内を対象にして、航空写真とフィールド調査結果を基に、木造建物の構造被害程度別の屋根瓦脱落棟数を明らかにした。さらに、地震直後の屋根瓦の脱落を予測するための一般式を提案した。 瓦の脱落状況や風速をパラメータとして火災風洞実験を行い、飛び火による屋根の火災性状を明らかにした。 (4)火の粉による延焼シミュレーションモデルの構築 (1)〜(3)を融合し、火の粉による延焼シミュレーションモデルを構築した。また、実際の市街地を対象に、ケーススタディを実施した。
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