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2004 年度 実績報告書

琉球王国の環境文化-その建築史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14350334
研究機関京都大学

研究代表者

高橋 康夫  京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60026284)

キーワード八景 / 十境 / 環境文化 / 琉球 / 都市 / 日秀上人 / 那覇 / 波上
研究概要

1.古琉球の禅宗寺院と王都-<十境>の受容と展開
宗教と空間のかかわり、とくに古琉球における禅宗寺院を素材として取りあげ、中国・朝鮮・日本とのかかわり、また八景や十境に着目しつつ、王都をめぐる禅寺の空間や場所の特質を解き明かす作業を行うとともに、<十境>の琉球への伝来、受容などの過程、そして琉球の禅宗伽藍や住宅などの内外にあるどのような自然や人工の景物に佳名が付与され、<境致>となされたのかを検討した。
2.那覇・波上の風景-場所の歴史の再構成
<中山八景>の一つ「筍崖夕照」に選ばれた波上の地は、自然と歴史と文化と宗教が重層する興味深い場所である。史料に即して波上の場所の歴史を再構成し、その特質を明らかにする作業を実施した。
伝承によって語られることの多かった波上権現と護国寺の創建について、同時代史料にもとづいて新たな見解を提示し、波上権現が「琉球第一大霊現」とされ、また護国寺が琉球王国第一の真言宗寺院とされるにいたった過程を明らかにした。この作業に関連して、波上権現・護国寺の再興にかかわったとされる日本人の補陀洛渡海僧日秀上人について日本と琉球に伝わる伝記の比較検討を行い、それらの史料としての特質を解明することによって誤伝や伝承を明確にし、日秀上人の事蹟を史実として明確に跡づけた。
一方、那覇・波上の地には中国大陸に由来する下天妃廟・上天妃廟・龍王殿・天尊堂・孔子廟・関帝廟などいくつもの廟が建てられていた。そのうちもっとも重要と考えられる天妃宮に着目し、数少ない史料の精緻な分析によってその成立と変遷を明らかにし、従来の説の誤りを訂正しまた不備を補った。
これらの成果によって古琉球の時代から近世琉球を通じて、波上と那覇がどのような地域的性格をもっていたか、その対比的な特質が明瞭に把握できた。
3.研究の総括
これまでの3年間の研究成果を総括し、報告書を作成した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 琉球の八景について2004

    • 著者名/発表者名
      高橋康夫
    • 雑誌名

      建築史学 第42号

      ページ: 2-39

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 同楽苑とその八景2004

    • 著者名/発表者名
      高橋康夫
    • 雑誌名

      建築史学 第42号

      ページ: 40-51

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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