研究課題/領域番号 |
14350349
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鶴見 敬章 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70188647)
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研究分担者 |
掛本 博文 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10334509)
和田 智志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60240545)
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キーワード | 人工超格子 / ペロブスカイト化合物 / 誘電性 / 強誘電性 / 電磁界解析 |
研究概要 |
原子層レベルの薄膜作製技術によって創り出される人工超格子は、自然界に存在しない結晶を人工的に作製することで、これまでより優れた機能や特性、さらには新たな機能の発現の可能性を秘めている。本研究は、数GHzから数十GHzまでの高周波領域において、ペロブスカイト型人工超格子の誘電率の周波数依存性(誘電スペクトロスコピー)を測定することを目的としている。本年度は、まず、誘電体薄層について、高周波領域での誘電スペクトロスコピーを測定する新しい方法を開発した。本法では、薄層上に電子線ビームリソグラフ法により微小な平面電極を形成し、測定した複素アドミタンスを電磁界解析シミュレーションの結果と比較検討することで、誘電体薄層の誘電率を決定するというものである。標準試料としてSrTiO_3単結晶を用いて測定を行ったところ、数MHzの領域は文献値と一致した誘電率310であるのに対し、約20GHzでは280程度まで減少することが明らかとなった。本方法をBaTiO_3/SrTiO_3系およびSrTiO_3/SrZrO_3系人工超格子に適用したところ、最も誘電率の高い積層周期10層の試料では、数GHzという高周波領域でも誘電率が3000以上と、従来の物質にはない高い誘電率を示すことが明らかとなった。また、SrTiO_3/SrZrO_3系は常誘電体/常誘電体を組み合わせた人工超格子であるにも関わらず、強誘電性を示すことを発見した。
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