研究概要 |
具体的な研究事項 (1)フュームドシリカの加熱による構造相転移現象の解析,(2)高エネルギーX線回折によるフュームドシリカの構造解析,(3)ウェーブレット変換によるガラス構造の解析,(4)発光スペクトル測定システムの立ち上げ 研究経過および進捗状況、成果 今まで、粉末状のフュームドシリカの加圧前後の構造変化を回折法,ならびに振動分光法などにより観察,解析を行ってきた。その結果,フュームドシリカの構造は,バルクの構造とは異なっていることが明らかとなった。さらに,その構造が温度によって変化し,最終的にバルクのシリカガラスと同じ構造に転移することが明らかとなった。この変化は,水酸基の縮合によって進行するだけでなく,粒子界面の原子移動を伴う固相反応によっても進行することがわかった。また,フュームドシリカは1200℃付近で不連続的にバルクの構造へと変化することから,この現象は,アモルファス-アモルファス相転移とも考えられる。この変化は主に振動スペクトル(赤外,ラマン)の測定から得られたものであるが,高エネルギーX線回折実験からも同様の構造変化がおきることが示唆された。また本年度で、発光スペクトル測定用の光学システムの設計がおわり(パルスNd : YAG laser励起)目指す試料の光学特性の詳細な検討ができる段階に入った。予備的実験により,フュームドシリカには加圧,加熱処理等により表面欠陥に起因する発光中心を数多く生成させることができることを見いだしている。来年度以降は,本光学システムを用いて発光種の同定と,発光メカニズムの解明を目指して研究を進めてゆきたい。
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