研究課題/領域番号 |
14350362
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
越崎 直人 独立行政法人産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター・高密度界面ナノ構造チーム, 研究チーム長 (40344197)
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研究分担者 |
寺嶋 和夫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30176911)
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キーワード | ナノコンポジット / ナノデバイス / 基板 / カーボンナノチューブ / マイクロプラズマ / 低温プロセス / 触媒 / 超臨界流体プラズマ |
研究概要 |
近年その可能性が期待されてきたナノデバイスは、ナノスケールでのさまざまな機能部品同士を結線し、システムとして構築させることが必要となる。本研究では、構造が精密に制御されたナノコンポジット基板とマイクロプラズマ技術を利用してカーボンナノチューブ生成実験に適用することで、機能部品同士の結線などに必要となる低温での無機系ナノ構造体の生成技術の検討を行った。 1.ナノコンポジット薄膜基板上でのカーボンナノチューブアレーの生成 モリブデンをマトリックスとし、カーボンナノチューブ生成触媒となるニッケル金属をナノドットとして含有するナノコンポジット薄膜基板を作製し、この上にホットフィラメントプラズマCVD法によりナノチューブを成長させた。1時間のプロセスにより、カーボンナノチューブが自己集合してあたかも杉の木のような形を形成し、これが基板上一面に森のような分布した特長的な構造を形成することを見出した。この手法は酸化物マトリックスのナノコンポジット基板でも同様な構造の調製が可能であることも明らかとなり、ナノデバイス作成に必要とされるナノワイヤリング、ナノシールディング技術への展開の可能性が示唆された。 2.マイクロプラズマ技術を利用したナノワイヤリング用基礎技術 微小空間に閉じこめられたマイクロプラズマを使って、カーボンナノチューブの低温・大気圧条件下での生成を目指した実験を行った。100ミクロン以下のガラスキャピラリー中にメタン・アルゴン混合ガスを導入し、プラズマを室温・大気圧条件下で発生させることで、結晶性グラファイトの生成が確認された。 今後は、これらの技術を発展させて、条件の最適化等を進めることにより、カーボンナノチューブなどの1次元ナノ構造を室温大気圧で生成させることを目指していく計画である。
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