研究課題/領域番号 |
14350363
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
青木 清 北見工業大学, 工学部, 教授 (70124542)
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研究分担者 |
石川 和宏 北見工業大学, 工学部, 助手 (10312448)
松田 剛 北見工業大学, 工学部, 教授 (10199804)
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キーワード | 水素 / 水素透過 / Ni-Ti-Nb合金 / Co-Ti-Nb合金 / 複相 / 共晶 / 耐水素脆性 |
研究概要 |
Ni-Ti-NbおよびCo-Ti-Nb合金系の水素透過特性と組織および構造の関係について詳細に調べた。Ni-Ti-Nb系で水素透過係数の組成依存性を調べたところ、Ni濃度が25-45at.%、Ti濃度が25-55at.%の領域で良好な水素透過特性を示すことが分かった。特に、673Kで純Pdを超える1.9×10^<-8>[molH_2m^<-1>s^<-1>Pa^<-1/2>]の水素透過係数を示したNi_<39>Ti_<31>Nb_<30>合金は、初晶bcc-NbTi相とB2-NiTi+Nb)Ti共晶の2相組織であった。また、水素透過係数は初晶の分率が高くなるにつれ増加するが、反面水素脆化が生じる傾向が見られた。水素雰囲気中でのin-situX線回折の結果、Nb-Ti相の水素吸蔵による膨張を緩和するようにNiTi相に不均一ひずみが導入され、水素脆化を抑制していることが示唆された。以上より、NbTi相が水素透過特性を、NiTi+NbTi共晶が耐水素脆性を担い、両者を適切な分率で複相化することで耐水素脆性に優れた新しい複相水素透過合金を作製できることが明らかとなった。Co-Ti-Nb系でもbcc-NbTi相とB2-CoTi相の複相を形成する組成範囲で高い水素透過係数が得られた。特に、Co_<35>Ti_<35>Nb_<30>合金の水素透過係数は2.8×10^<-8>[molH_2m^<-1>s^<-1>Pa^<-1/2>]であり、水素吸蔵-放出のサイクル試験後も破壊せず、高い耐水素脆性を有していることが分かった。以上より、耐水素脆性に優れた相と水素透過性に優れた相の組織制御が、複相水素透過合金開発の重要な因子となることが明らかとなった。
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