研究課題/領域番号 |
14350366
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
和田山 智正 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20184004)
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研究分担者 |
八田 有尹 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005502)
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キーワード | 赤外吸収増大 / 原子間力顕微鏡 / 表面増強ラマン分光 / アデノシン / 島状Ag微粒子 / 圧着 / パラニトロ安息香酸 / フラーレン |
研究概要 |
本研究は、固体表面-生体関連物質間相互作用の表面分光学および原子間力顕微鏡(AFM)による評価を通じ、生体関連物質の基板への固定化技術を確立することを目的とした。昨年度は、基板表面吸着分子に対する測定感度が非常に高いと考えられる表面増強ラマン散乱(SERS)を利用し吸着アデノシン分子の測定を行った。また、真空蒸着により形成した島状Ag微粒子の形態の膜厚による変化をAFM観察し、SERS測定に適した島状Agの形態を検討した。一連の測定を通じて、Ag膜厚6nm程度のとき吸着分子のSERSスペクトルが安定して得られることが明らかとなった。本年度は昨年度検討したSERSスペクトル測定のための最適条件に基づき、分子の基板表面への転写手法として"圧着法"を提案しその有用性について検討した。この手法は溶媒を用いず直接基板に対して粉末の分子を分散させ、その上からガラス基板を通じて0〜1.0MPaの範囲で加圧することにより分子を吸着・固定化させるものである。アデノシン、パラニトロ安息香酸等の分子に対して圧着法を適用したところ、パラニトロ安息香酸の場合基板金属(Ag)に対してイオン化して吸着するが、圧力を加えない場合に比べ圧着圧力0.6MPaにおいてラマン散乱強度が4倍程度上昇した。これ以上加圧すると基板金属の形態が変化し始め強度は減少した。一方アデノシンの場合、圧力によるスペクトル強度の変化はほとんど見られない。すなわち圧着法では、基板金属-分子間相互作用の度合いにより圧力に敏感にスペクトル感度が向上、すなわち基板固定化に好都合な分子と圧力の影響をほとんど受けない分子があることがわかった。
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