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2002 年度 実績報告書

光誘起キャリアを用いるシリコン上への湿式法マスクレス金属パターニング

研究課題

研究課題/領域番号 14350383
研究機関京都大学

研究代表者

尾形 幸生  京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (30152375)

研究分担者 ハム ディディエ  京都大学, エネルギー理工学研究所, 助手 (50324702)
作花 哲夫  京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教授 (10196206)
キーワード多孔質シリコン / 光励起 / レーザー / 電析 / 置換めっき / パターニング
研究概要

シリコン表面を陽極酸化によって多孔質化した多孔質シリコンを用いて、各種金属塩溶液中における置換めっき挙動を検討した。単純水溶液においては貴金属のみが析出した。一方、各種非水系溶液中で置換めっきを行うと、錯形成を起こし中間酸化状態イオンが安定化するアセトニトリル系などでは貴金属析出が起こらず、水溶液系と異なる挙動を示すが、その他の溶媒系では水溶液系と同様な挙動を示し、陽極反応として30ppm程度の残留水分の寄与が大きいことが明らかになった。
通常、単純金属塩からは置換めっきが進行しない卑金属であるニッケルの析出をフッ化物イオンを含む溶液を用いて検討した。フッ酸酸性溶液中からニッケルは析出せず、一方、フッ化アンモニウム塩基性溶液からは析出がみられた。卑金属系で相手反応であるシリコンの酸化より十分に貴な電位にあっても析出が起こらないのは、金属イオン還元との競合反応として水素イオンの還元があり、後者が支配的となるためであることがわかった。また、金属イオンの錯化により卑金属でも析出が可能となることを示した。
浸漬しても置換めっきが起こらない単純ニッケルイオン水溶液中にp型多孔質シリコンを浸漬し、レーザー照射を行っただけではニッケルの析出が観察されなかった、シリコン/溶液界面では価電子帯から電子が伝導帯へ励起されて電子エネルギーは上がるものの、表面に擬フェルミ準位が形成されるために、シリコンの開路電位が光照射下で貴方向にシフトし、金属析出に不利な条件が生まれる。そこで、光照射に加えて適当な電位を引加した結果、照射部位にのみ金属ニッケルが析出した。光照射と電位制御を併用することによって、p型シリコン表面上で位置選択的金属析出が実現し、レジストレス金属パターニングの可能性を示唆するものである。光ビーム径に比べ、析出金属パターン径が大きいが、どこまで微細化できるかが今後の課題となる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] F.A.Harraz, T.Tsuboi, J.Sasano, T.Sakka, Y.H.Ogata: "Metal Deposition onto a Porous Silicon Layer by Immersion Plating from Aqueous and Nonaqueous Solutions"Journal of the Electrochemical Society. 149・9. C456-C463 (2002)

  • [文献書誌] Farid Harraz, 笹野順司, 作花哲夫, 尾形幸生: "シリコン上へのニッケルめっき"めっき技術. 15・10. 1-6 (2002)

  • [文献書誌] F.A.Harraz, J.Sasano, T.Sakka, Y.H.Ogata: "Different Behavior in Immersion Plating of Nickel onto Porous Silicon from Acidic and Alkaline Fluoride Media"Journal of the Electrochemical Society. 150・5(発表予定). (2003)

  • [文献書誌] J.Sasano, P.Schmuki, T.Sakka, Y.H.Ogata: "Laser Assisted Nickel Deposition onto Porous Silicon"Physica Status Solidi (a). 197(発表予定). (2003)

  • [文献書誌] F.A.Harraz, T.Sakka, Y.H.Ogata: "Immersion Plating of Nickel onto a Porous Silicon Layer from Fluoride Solutions"Physica Status Solidi(a). 197(発表予定). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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