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2003 年度 実績報告書

固相凝着接合機構解析に基づく電子デバイス微細配線界面形成制御

研究課題

研究課題/領域番号 14350384
研究機関大阪大学

研究代表者

高橋 康夫  大阪大学, 先端科学技術共同研究センター, 教授 (80144434)

研究分担者 津村 卓也  大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (00283812)
キーワードマイクロ接合 / 金細線 / 電極 / エレクトロニクス実装 / 集積回路 / 接合機構 / 摩擦 / 超音波振動
研究概要

昨年,発注した微細接合装置(ボンダー)を用いて,直径30μmの金細線を配線接合し,その強度を発注した精密引張破断試験機により調査した.金細線は,IC(Siチップ)上の微細電極パッド(Al-Si-Cu)に接合した.ボンディング(接合)条件は,金とアルミの接合部形成が観察しやすいように,通常の接合温度より低く(80℃)設定した.このような低温の温度条件は次世代IC配線接合に対して有望しされているので,このことも考慮して,温度条件を設定した.超音波併用のワイヤボンディングでは,超音波の作用により,ボンディン性が大きく左右される.そこで,超音波の出力の効果を詳しく調査した.超音波の電力モニターは接合装置の回路と制御ソフトを改良することにより達成することができた.この方が,予算が節約でき,その分,予算を,接合試料ICチップと配線基板の購入に当てることができた.超音波振動は,主に,ワイヤボール自身の変形促進と接合界面における摩擦すべりの誘発を与える.この事は,昨年度の計算結果から示唆されたので,本年度では,この2つの効果を特に詳しく調査した.実験結果から,超音波出力が小さい方が,界面の摩擦すべりが生じやすいことが示唆された.その際,凝着接合は,金ボールとアルミパッドとの接触部中央から開始し,その初期凝着部形状は,小さなアイランド状をなす.そのアイランドは超音波印加方向に沿って,発達する.超音波振動計測から,チップの振動振幅は500nmであることが分かった.金ボールの振動変形を考慮すると,平均摩擦すべり振幅は数十nm程度であることが推察される.また,数値解析から摩擦すべりは均一ではなく,接合界面は,摩擦すべりにより収縮することが示唆された.界面が摩擦により収縮することは,実験でも示唆され,その結果,新しいアイランドが振動方向と垂直に形成され,凝着部が増加していく.その後,金ワイヤボールの変形により金ボール側面がアルミパッドに密着していくフォールディング現象により,金ボール周囲部の接合が生じる.一方,超音波出力を大きくする(しすぎる)と,金ボールの変形が過度に促進され,摩擦すべりが十分起こらなくなり,密着部中央での凝着不足が生じる.すなわち,摩擦すべりを起こさせようとして超音波振動を大きくしても,凝着接合は阻害されてしまうことが明らかになった.また,アルミ細線や金細線,金箔,アルミ箔との超高真空下での異種異形材の表面活性化凝着挙動に関する基礎的研究調査も行い,アルミ細線と種々の金属箔との環境低負荷凝着接合への指針を得ることができた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 福田弘樹, 亀田貴理, 高橋康夫, 富村寿夫: "超音波微細接合における界面接合領域増加挙動に関する検討"第10回エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術シンポジウム論文集. 10巻. 197-202 (2004)

  • [文献書誌] 土岐武久, 松坂壮太, 高橋康夫: "異種金属間の常温凝着挙動に関する基礎的検討"第10回エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術シンポジウム論文集. 10巻. 203-208 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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