研究課題/領域番号 |
14350385
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中田 一博 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (80112069)
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研究分担者 |
田中 学 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (20243272)
牛尾 誠夫 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (80029248)
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キーワード | 粒子分散金属基複合材料 / 摩擦攪拌接合法 / 異材接合 / セラミックス / アルミニウム合金 / 組織 / 機械的性質 / 結晶粒微細化 |
研究概要 |
本研究では粒子分散型アルミニウム基複合材料およびその異材接合に対するFSW法の適用性を評価しミクロ組織構造解析と併せて塑性流動現象を利用してFSW接合機構を明らかにするものである。 平成14年度は、分散粒子としてアルミナが10体積%と20体積%の6061アルミニウムマトリックス複合材を使用し、FSW接合特性を評価した。 本年度は、粒径5〜20μmの炭化珪素(SiC)を分散粒子として、それぞれ10、15、20体積%含有したA359(Al-9mass%Si-0.6mass%Mg)複合材料を用いた。板厚は3mmの圧延材であり、T6処理材である。接合欠陥の発生しないツール回転速度と溶接速度の最適接合条件範囲はSiCを含まないA359では極めて広く、最高溶接速度は2000mm/minまで可能であったが、SiC添加量の増加とともに最高溶接速度は低下し、20mass%では250mm/minとなったが、接合は可能であった。このようにSiC量の増加とともに最適接合条件範囲が狭くなるのは、複合材の高温塑性流動性が低下することに起因する。引張試験による継手効率は、SiCが10体積%までは78%であり、これ以上では約70%まで低下した。しかし、接合後に423Kx5hの後熱処理を施すことにより、いずれも場合も継手効率で約10%の増加が見られた。また、接合部のSiC粒子の分散状態はアルミナ粒子分散6061材の場合と同様に均一であった。しかし接合部にはSiC粒子によるFSWツールの研削摩耗粉に由来するFeのマクロ的な混入が見られた。A359アルミニウム合金とSiC添加複合材の突合せ接合は可能であった。しかし、試片配置により接合性が大きく異なり、A359をRetreating側、複合材をAdvancing側に配置したときに良好な継手が得られた。この傾向はアルミナ粒子分散複合材と同様の傾向であり、接合部における粒子の3次元流動現象が深く関係していることが明らかになった。
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