研究課題/領域番号 |
14350392
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研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
安丸 尚樹 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90158006)
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研究分担者 |
加藤 寛敬 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (30311020)
宮崎 健創 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (50293957)
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キーワード | フェムト秒レーザー / アブレーション / セラミックス膜 / DLC / 固体潤滑膜 / 複合膜 / トライボロジー |
研究概要 |
(1)硬質膜・固体潤滑膜の成膜条件の確立と薄膜の評価(安丸、加藤) ステンレス鋼基板に対し、アークイオンプレーティング装置を用いてTiN及びCr-Ni-N系硬質膜を成膜した。また、非平衡マグネトロンスパッタリング装置を用いて、バイアス電位と雰囲気ガスを調整し、低硬度(Hv1600)〜高硬度(Hv3000)のDLC膜を成膜した。さらに、マグネトロンスパッタリング装置を用いて、摩擦係数の極めて小さいMoS_2膜や超軟質DLC膜(Hv700)をできるだけ高い付着力で成膜する条件を検討した。 ボール・オン・ディスク型摩擦摩耗試験機により摩擦摩耗特性の評価を行った。摩擦係数(超硬ボール)に関しては、DLC系膜は0.1前後と非常に優れた値を示した。セラミックス膜はNiを少量含有したCr-Ni-N系膜が優れていたが、DLCよりはかなり大きな値を示した。MoS_2膜はDLC膜より摩擦係数がさらに小さいが、移動しやすく耐久性が劣ることが判明した。 (2)フェムト秒レーザーによる硬質膜の高精度加工技術の開発(宮崎、安丸) チタンサファイアレーザーをチャープパルス増幅させた高密度フェムト秒レーザーパルスの強度と偏光を調整した後、TiNおよびDLC薄膜表面に凸レンズを用いて垂直に集光させた。具体的な照射条件……波長;赤外800nm、パルス幅40fs、偏光;直線偏光(横p,縦s)と円偏光、集光スポット径;約200μm、周波数;10Hz、パルスエネルギー;40〜1100μJ、フルーエンス;0.1〜3.0J/cm^2、照射パルス数;1〜300パルス、試料;固定、雰囲気;大気中. 照射後のTiNおよびDLC薄膜をFE-SEMで観察すると、アブレーション閾値近傍の低フルーエンスで照射することにより、薄膜表面にレーザー波長の1/10〜1/5と非常に小さい周期的微細構造が形成されることを見出した。さらに、この超微細構造は、レーザーの偏光を制御することにより直線状(直線偏光)からドット状(円偏光)の構造までパターンを変化させることが可能で、そのサイズはレーザー波長に比例して変化し増減可能であることが判明した。
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