研究概要 |
今年度は、「液相還元法を応用して、金属塩溶液からのnmレベルの合金粒子を、単分散酸化物粒子上に選択析出する手法の確立」を目指し、次のような研究を実施した。 1.担体酸化物微粒子の合成(佐藤) 本手法では担持量は理論量(ナノ粒子の専有面積)まで増加させることができるので、細孔がない担体でも利用可能である。ゲルーゾル法合成チタニア、ゾルーゲル法合成シリカ等の単分散酸化物微粒子(30〜100m^2/g)を担体として用いた。 2.担体酸化物微粒子の表面設計(佐藤) 液相還元析出法を用いて選択的に担体表面にナノ粒子を析出するためには、担体表面に化学吸着サイトを形成させる必要がある。そこで、種々の表面修飾剤(ポリオール化合物(エチレングリコール等)やピリジン、あるいは界面活性剤など)により、表面特性の制御を行った。 3.Pt, Ir, Rh, Pd貴金属粒子の選択的液相還元析出(液相還元、選択析出法の応用)(山本) まず、水溶液あるいは非水溶液系で、塩化白金酸あるいは塩化白金酸塩をPtの出発物質として用い、これに還元剤(ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム等)を作用させて、有機系材料表面に選択的にPt超微粒子を析出させた。つづいて、種々の貴金属(Pt, Ir, Rh, Pd等)の出発物質として各貴金属錯体を合成し、同様な検討を行った。 4.Pt, Ir, Rh, Pd貴金属粒子の前駆錯体の制御(選択析出法の概念応用)(村松) より選択的な析出を目指して最も適当な錯体の合成実験を行った。貴金属錯体の配位子効果を見るために、種々の配位子を導入して、酸化物微粒子表面への吸着挙動を観察する。また、液相中の貴金属錯体の同定、定量を行い、析出メカニズムを解明し、この結果をフィードバックして、さらに手法の高度化をはかった。
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