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2003 年度 実績報告書

可変領域の安定性を利用した抗原濃度測定法の実用化

研究課題

研究課題/領域番号 14350430
研究機関東京大学

研究代表者

上田 宏  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60232758)

研究分担者 上田 卓也  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80184927)
長棟 輝行  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
キーワードファージディスプレイ / 抗体 / 免疫測定 / オープンサンドイッチ法 / 小分子 / 単価抗原 / 植物ホルモン / 蛋白質間相互作用
研究概要

1.新規蛋白質間相互作用測定系split Fv (spFv)システムを用いた抗体VH/VL相互作用の強弱を決定する残基の同定
抗体の可変領域を構成する二つのドメイン(H鎖可変領域VHおよびL鎖可変領域VL)間の相互作用が抗原添加の有無により変化することを利用すれば,小分子抗原濃度を非競合的に高感度に測定できる(オープンサンドイッチ法,OS法)。昨年度構築した,線維状ファージに二種類の蛋白質の片方のみを提示し,片方を分泌型蛋白質として産生させ両者の間の相互作用を測定することができる新規蛋白質間相互作用測定系split Fv (spFv)システムを用いてコンビナトリアルライブラリを作製し,これまで不明であった抗原結合能とVH/VL相互作用の強弱との関係を明らかにすることができた。またVH/VL間の相互作用を決定づけるフレームワーク残基の同定に成功した。
2.オープンサンドイッチ法による溶液中でのチロシンリン酸化の検出
上記の情報をもとに,必ずしもオープンサンドイッチ法に適していない抗リン酸化チロシン抗体PY20の可変領域をこれに適した性質に改変し,溶液中のホスホチロシン濃度およびリン酸化チロシン含有ペプチドを蛍光共鳴エネルギー移動量の変化として検出することに成功した。チロシンキナーゼの高効率スクリーニング法としての応用が期待できる。
3.SpFvシステムによる,小分子の非競合的免疫測定
上記spFvシステムを利用し,既存の抗小分子抗体3種のOS法への適性を判定した。この結果,11-デオキシコルチゾール(11DC),植物ホルモン(ジベレリン A24)およびカビ毒の一種について,OS法での濃度測定が可能であった。11DCおよびカビ毒の検出感度と測定濃度範囲を競合法のそれと比較したところ,数倍の検出感度と100倍近い測定濃度範囲が得られることが判明し,競合法に比べたOS法の優位性が確かめられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Aburatani, A.et al.: "A general method to select antibody fragments suitable for noncompetitive detection of monovalent antigens"Anal.Chem.. 75・16. 4057-4064 (2003)

  • [文献書誌] Kawahara, M.et al.: "Bypassing antibiotic selection : positive screening of genetically modified cells with an antigen-dependent proliferation switch"Nucleic Acids Res.. 31・7. e32 (2003)

  • [文献書誌] Ueda, H.et al.: "An optimized homogeneous noncompetitive immunoassay based on the antigen-driven enzymatic complementation"J.Immunol.Methods. 279・1-2. 209-218 (2003)

  • [文献書誌] Kawahara, M.et al.: "Selection of genetically modified cell population using hapten-specific antibody/receptor chimera"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 315・1. 132-138 (2004)

  • [文献書誌] 上田宏, 大川秀郎, 長棟輝行: "競争のいらない小分子の高感度免役測定法の開発"バイオインダストリー. 20・7. 52-59 (2003)

  • [文献書誌] 河原正浩, 上田 宏, 長棟輝行: "抗体を用いた受容体のエンジニアリング-効果的な細胞医療を目指して"抗体エンジニアリングの最前線(植田充美監修)(シーエムシー出版). 122(11) (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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