研究課題/領域番号 |
14350431
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
早出 広司 東京農工大学, 工学部, 教授 (10187883)
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研究分担者 |
FERRI Stefano 東京農工大学, 工学部, 助手 (90334474)
池袋 一典 東京農工大学, 工学部, 助教授 (70251494)
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キーワード | 酵素反応 / 触媒・化学プロセス / チトクローム / ナノバイオ / 電子伝達 / バイオエレクトロニクス / バイオセンサー |
研究概要 |
本研究では、糖類酸化酵素および脱水素酵素と電極との電子移動反応を行なうためのインターフェイス蛋白質分子の開発を目的とする。酵素-電極間のインターフェイス分子として大腸菌由来水溶性チトクロムb-562を用いた。インターフェイス分子の開発として、その分子デバイスとしての安定性を向上させることと、インターフェイス分子としてのターゲットとなる酸化還元酵素との親和性を電子伝達能力を保持させた状態で向上させることを並列して行う必要がある。本年度はインターフェイス分子としての汎用性を検討し、具体的な改良の指針を得ることを目的にターゲットとして酸化酵素としてグルコースオキシダーゼ(GOD)、プルクトシルアミンオキシダーゼ(FAOD)、コレステロールオキシダーゼ(COD)および脱水素酵素としてグルコース脱水素酵素(GDH)およびアルコール脱水素酵素(ADH)を検討した。チトクロームb562を電子受容体として酵素センサーのシグナル向上がみられた酵素としては、GODならびにCODで観察されたが、FAODではチトクロームb562は電子状態とはならなかった。また、GDHにおいては、PQQを補酵素とする酵素ばかりでなく、FADを補酵素とするGDHでも同様な効果が見られた。ADHとしてキノヘモプロテインEDHならびに、サブユニット構造を有するPQQADHを対象としたが、これらは組み換え生産の最適化を行う必要があり、検討を継続している。一方、インターフェイス分子としてのチトクロムb-562の改良をめざし、ターゲット酵素との親和性を高めることを目標とした変異、酸化還元電位を改変することを目標とした変異を導入した。これらの変異チトクロームb562はいずれも大腸菌内で水溶性蛋白質として生産され、独自の酸化還元活性を有していた。さらにGDHをモデルとした実験において電子移動が観測された。これらの情報をもとに、変異ライブラリーの構築を通して高機能化インターフェイス分子を設計する。
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