研究課題
基盤研究(B)
ゲノム・プロテオームの解析が進むにつれ、ゲノミックス、プロテオミクス、SNP(遺伝子多型)等の新領域・技術が急速に開拓されつつある。生物細胞の機能を解明するために、ゲノムの産物であるタンパク質の解析(プロテオミクス研究)を急速に発展させなければならない。プロテオーム解析を、飛躍的に発展させる「プロテインチップ」の開発が不可欠である。本研究では、申請者が長年研究し得意とする立体構造をデザインした種々のペプチド配列を同時合成し、デバイス配置可能な最新技術であるペプチドライブラリ手法を駆使し、種々のタンパク質の認識・検出を解析することが可能なプロテインチップ開発のための基盤技術を確立することを目的とした研究を実施し多大な成果を得た。ペプチドの立体構造に基づく相互作用が想定されるモデル系を用いて、合成および検出法について検討した。α-ヘリックスペプチドやループペプチド、β-ストランドペプチド基本骨格構造を用い電荷や疎水バランスなどを変化させたペプチドライブラリを作製し、これらによる各種タンパク質の認識パターンによる「プロテインフィンガープリント」法を開発した。さらに多くのペプチドライブラリの作成を目指し、ペプチドの合成を行った(総計約250分子群)。これらのペプチドライブラリをプロテインチップ開発のためのより確実な基盤技術とするために、タンパク質のウェットな検出システムのみならずドライな系で検出を簡便に行える独自のシステム開発に結びつける研究成果を得た。総合的に独自のプロテイン認識・検出システムである「プロテインフィンガープリント」法をさらに発展させる基盤技術を達成した。
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