研究課題/領域番号 |
14350434
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上平 正道 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40202022)
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研究分担者 |
西島 謙一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (10262891)
飯島 信司 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00168056)
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キーワード | トランスジェニック鳥類 / モノクローナル抗体 / レトロウイルスベクター / scFv-Fc / 動物細胞 / キメラ抗体 / ニワトリ / ウズラ |
研究概要 |
ヒトCD2に対するモノクローナル抗体を生産するマウスハイブリドーマHB195細胞からH鎖、L鎖の可変領域の抗体遺伝子を取得し、ヒトIgGの定常領域遺伝子と結合させ、ニワトリβ-アクチンプロモーターの制御で、H鎖、L鎖遺伝子を同時に発現するユニットとしレトロウイルスベクター生産用プラスミドに導入した。ウイルスベクターを生産するGP293パッケージング細胞を作製し、外被タンパク質としてVSV-Gを用いて、パッケージング細胞からウイルスベクターを生産させた。ウイルス溶液を超遠心により10^8cfu/ml以上の力価に濃縮してから、55時間孵卵した胚に注入したのち、この胚を胚培養法により孵化させた。11の胚にウイルス溶液をインジェクトし、4羽孵化させることができた。1羽は孵化後4日目に死亡したが、その他のヒナは外見上の奇形などはなく、正常に成長した。各個体の血清中のヒト抗体濃度を測定したところ、6〜20μg/mlの抗体を生産していることがわかった。約5ヶ月後、メスニワトリでは正常に卵を産み始めたので、卵中の抗体濃度についても測定を行ったところ、卵白で10〜15μg/ml、卵黄で2〜3μg/mlの抗体を生産していることがわかった。個体によって生産量に差があるものの、1年以上の長期間にわたって血清中および卵中に安定して組換え抗体を生産していることがわかった。また、卵白に生産された抗体をアフィニティカラムにより精製し、抗原結合能を測定したところ、CD2を発現しているJurkat細胞のライゼートを用いたWesternでは、CD2に相当する位置のタンパク質を特異的に認識しており、FITC標識した抗体を用いたFACS解析においても、ニワトリ卵白で生産された組換え抗体がJurkat細胞を特異的に認識していることがあきらかとなった。
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