研究課題/領域番号 |
14350442
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澤田 嗣郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90011105)
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研究分担者 |
池添 泰弘 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教務職員(研究職) (70334315)
片山 建二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (00313007)
藤浪 眞紀 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50311436)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 界面 / 極短パルス / 低振動 / 第2高調波 / コヒーレント / 生体膜 / 非線形現象 |
研究概要 |
本研究は極短パルス光等を用いて、界面でおこる分子の集団挙動を、主に低振動数領域で測定することを目的とする。今回、まず、界面領域での分子の集団運動が決定的に重要になる、油水界面における非線形発振現象について、安定な実験系の開発と分子集団挙動の観測を行った。その結果、界面での非線形発振には分子の集団的な吸着が重要であることと、発生した電位の緩和には界面をまたぐイオンの移動が重要であることを明らかにした。また生体膜における酵素反応などの系も研究し、界面における酵素の加水分解反応と共存するカルシウムの寄与について新しい知見をうることに成功した。 次にこのような界面での超高速現象を追跡するため、短パルスレーザーを用いて界面の割合の多い、ナノ閉鎖空間における分子ダイナミクスの研究を行った。具体的にはAOT逆ミセル中(電荷界面)での色素分子の超高速挙動と、それに伴う、逆ミセル分子集合体での運動、及び、ホストーゲスト化学における基本的なホスト分子(シクロデキストリン)中での超高速分子ダイナミクスの計測と特徴的な2量化反応などの追跡を行い、それぞれ新しい知見を得た。 これらの界面・ナノ空間での分子集団の挙動の追跡と平行しつつ、極短パルスによる低振動スペクトルの取得にむけて装置開発を行った。その結果、まずガリウム砒素の固体表面を用いて、本装置の基本原理である分子集団の振動モードのコヒーレントな励起とそれに伴う非線形感受率の変化をSHGの強度変調として捉えることに成功した。この原理を液体表面、界面に適用するため、さらに過渡格子配置を導入することで、SHG信号のバックグラウンドフリー化を図ったのち、空気・水界面に浮かべたクマリン色素からの信号を取得することに成功した。
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