研究課題
基盤研究(B)
本研究では、これまで合成されたことがない直鎖状レニウム(I)ポリマーを、かなり自在に合成する新手法を確立した。これらのポリマーは核数だけ正の電荷を持つ。このようなポリマーを分離するよい方法がなかったが、我々は、極性溶媒中で用いることのできるサイズ排除型クロマトグラフ(SEC)法が有効であることを見出し、分離条件の最適化に成功した。また、この手法は、直鎖状レニウム多核錯体を始めとする電荷を持つ金属多核錯体の分子量を決定するにも応用できることを見出した。これらの合成・分離手法を用いることで、21核までのレニウム(I)多核錯体の合成・単離に成功した。これらの多核錯体は、CO_2還元の光触媒としても働き、そのターンオーバー数は単核・二核のものよりはるかに大きくなることが分かった。反応機構に関しても一定の知見が得られた。また、配位子およびビピリジンの置換基を適切に組み合わせることにより、分子内で励起エネルギー移動を自在に制御することが可能であることを示した。すなわち、分子内を一方向にエネルギーが移動する4核錯体や、光エネルギーが中心部に集約される3核錯体の合成に成功し、その光物性について詳細に検討した。さらに、全く新規なリング状レニウム(I)多核錯体の合成に成功した。これらの錯体も。開発したSEC法により単離することに成功した。この環状錯体は、対応する単核・二核の錯体と比較して、四倍の励起寿命、三倍の量子収率を持つことが分かった。
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