本研究では、 1.新規Erドープガラス、結晶化ガラスにおける、広帯域光増幅器材料の開発、 2.1.44〜1.52μm帯で光増幅特性を有するTmドープガラス、特に酸化物での高効率新材料開発、 3.Tm-ドープファイバの2波長励起方式による光増幅特性の高効率化と利得長波長シフト、 4.Erドープファイバの基礎光物性の評価方法の開発と光増幅利得特性との関係探求、 5.超広帯域光増幅器としてのCr^<4+>イオンドープガラスセラミックスの開発 の研究を行った。 いずれのテーマもこれまでに行ってきた、固体中の希土類の局所構造解析と光物性に関する研究を基礎として、今後の広帯域波長多重通信において重要な光増幅器となる可能性を持つ、材料の開発と評価を行うことを目的とした研究テーマである。自作光ファイバの作成に必要な実験設備投資には到底至らなかったが、本科研費テーマである、光増幅利得特性評価システムの構築という意味でも、ファイバデバイス評価システムは、かなりのレベルまで確立した。ファイバの利得飽和や利得スペクトルの自動測定が、Sバンドの短波長側からLバンドの長波長域まで可能であり、PC98でGPIB制御の「手作り」の測定システムを整えることができた。この点に関しては、まず知る限り国内の大学、公的研究機関のどこにも負けない研究環境ではないかと自負している。
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