機能性部位をイオン性液体に結合担持させ、イオン性液体と機能性分子間の親和性を高めると共に均一な反応系の構築を行い、繰り返し使用可能な機能性イオン液体を創製した。さらに、この反応場を活用したいくつかの物質の簡便な合成法を確立した。 1)イオン性液体-18-クラウン-6担持-機能性イオン液体 この種の機能性イオン液体は、カルボキシル化反応の反応場として適しており、繰り返し使用可能な反応場として確立することができた。さらに、フッ素化反応の反応場としても活用することができることも明らかにした。 2)イオン性液体-4-ヒドロキシTEMPO担持-機能性イオン液体 この反応場は、酸化反応の触媒機能を発現し、各種のアルコール類を相当するアルデヒド類へと簡便に変換することができた。さらに、両末端ジオールを基質として利用すると相当するラクトン類が生成することも明らかにした。 また、イオン性液体中でのフッ素系物質の立体選択的な合成法も開発できた。この系ではフルオロメチル基を有する三置換オレフィン類を立体選択的に合成することが可能である。
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