イオン性液体中での合成化学的反応として、フッ素系物質合成の反応場をいくつか見いだし、各種のフッ素系物質を有機化学的方法や生物化学的方法を活用して創製する方法を確立した。特に、抗体酵素38C2がイオン性液体中でも機能発現することを見いだし、この反応場を用いる付加反応によるフッ素系物質の創製反応を確立した。また、フッ素化剤を利用して光学活性体のフッ素化反応を行い相当する光学活性体を合成する反応場を確立した。さらに、機能性を持たせたイオン性液体を設計、創製し、イオン性液体中で機能発現することを見いだした。ひとつの例として、クラウンエーテル担持型-イオン液体の創製を確立し、この物質がイオン性液体中でフッ素化反応やカルボキシル化反応を促進するために、カリウムイオンを捕捉することを計算化学から推察している。
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