研究課題
基盤研究(B)
これまで当研究代表者らは、電極還元反応又は金属Mgを用いた電子移動型反応により、酸塩化物や酸無水物存在下におけるα,β-不飽和カルボニル化合物やスチルベン類のアシル化反応を既に見いだしている。そこで本研究では取り扱いや入手が極めて容易なグリニャール反応用削状金属Mgを何の前処理もなく使用し、酸塩化物存在下でのアントラセンの二重炭素-アシル化反応についての検討を行った。またその応用として新規環状化合物の合成についても検討を行った。反応はグリニャール反応用削状金属Mg(25mmol)を含むDMF(40ml)中に基質(5mmol)を投入し、窒素雰囲気下、氷冷(-10〜5℃)にて酸塩化物(25mmol)を5〜20分かけて滴下し、その後室温にて1〜15時間撹拌した後、常法に従って反応化合物を処理した。その後、カラムクロマトグラフィーにて単離した。その結果、種々の酸塩化物存在下でのアントラセンのアシル化反応の9位と10位への二重炭素-アシル化がワンポットにて円滑に進行し、それぞれ対応するジアシル体が良好な収率で得られた。次にコハク酸クロリド及びグルタル酸クロリドを用いた新規環状化合物の合成について検討を行ったところ、第二のアシル化反応が分子内で進行し、対応する2環式化合物がワンポットにて簡便に得られた。更にヘテロ原子を鎖上に有する酸塩化物を用いることで酸素原子を含む2環式化合物が得られることを見いだした。同様にして、種々の酸塩化物存在下での金属Mgによる本ワンポット二重アシル化反応は、アセナフチレン類やアクリル酸エステル類でも同様に容易に進行し、それぞれオレフィンに対してVicnal型二重炭素-アシル化反応が起こった1,4-ジケトンがワンポットで簡便に得られた。これらの特異な炭素-ジアシル化反応は、金属Mgから多環芳香族化合物またはオレフィン結合への1電子移動により開始され、酸塩化物による最初のアシル化反応と後続の第2の素早い電子移動により、より安定なカルバニオンが生成し、更なる求電子攻撃によりジアシル化生成物が得られると思われる。
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