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2003 年度 実績報告書

新規含ヘテロ不斉カルボアニオン転位の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14350473
研究機関東京工業大学

研究代表者

友岡 克彦  東京工業大学, 理工学研究科, 助教授 (70207629)

キーワードカルボアニオン転位 / アセタール / アミノケトン / オキセタン / Stevens転位 / カルベン / ピロール
研究概要

本年度は官能基化されたヘテロ環状化合物の新規合成法として下記,三種の転位を開発した.
1)ヘミアセタール系Stevens転位:6員環ヘミアセタール構造を有するアンモニウム塩にアルコキシド塩基を作用させると,多官能基化されたヘミケタールが立体選択的に得られることを見出した.この反応では,i)ヘミアセタールの開環,ii)生じたケトンのα位脱プロトン化,iii)Stevens転位,iv)ケトンα位の異性化と生じたヒドロキシケトンの閉環,という多段階反応が連続的に進行していると考えられる.本転位はジアステレオ選択的なStevens転位の最初の例であり,含窒素化合物の立体選択的合成法として有効である.
2)環状アセタールの縮環型カルボアニオン転位:パントラクトン由来の環状アセタールにアルキルリチウム(RLi)を作用させると,多官能基化されたオキセタンが立体選択的に得られることを見出した.また,その機構について精査した結果,反応がi)アセタールC-O結合の開裂を伴うカルベンの生成,ii)カルベンのRLiへの挿入,iii)分子内求核付加,という多段階を経て進行していることを明らかにした.
3)3成分連結型多置換ピロールの合成:フタルイミド由来のアルキニル置換ヘミアミナールにアルキルリチウムを作用させると,三置換ピロールが収率良く得られることを見出した.反応は分子内カルボリチオ化反応を経て進行していると考えられる.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Tomoyasu, K.Tomooka, T.Nakai: "Asymmetric Synthesis of Enantio-enriched Acyclic α-Amino Alkylstannanes and Rearrangement Behaviour of Carbanions Thereof"Tetrahedron Lett.. 44. 6121-6125 (2003)

  • [文献書誌] D.M.Hodgson, K.Tomooka, E.Gras: "Enantioselective Synthesis by Lithiation Adjacent to Oxygen and Subsequent Rearrangement"Top.Organomet.Chem.. 5. 217-250 (2003)

  • [文献書誌] M.Harada, T.Nakai, K.Tomooka: "Stevens Rearrangement of a Cyclic Hemiacetal System : Diastereoselective Approach to Chiral α-Amino Ketone"Synlett. 2. 365-367 (2004)

  • [文献書誌] M.Suzuki, K.Tomooka: "Anionic Ring-Contraction Reaction of Cyclic Acetal System : Stereoselective Approach to Multi-Functionalized Oxetanes"Synlett. 4. 651-654 (2004)

  • [文献書誌] K.Tomooka 他: "The Chemistry of Organolithium Compound"Wiley, New York. 1432 (2004)

  • [文献書誌] K.Tomooka, M.Ito 他: "Main Group Metals in Organic Synthesis"Wiley, Weinheim. 905 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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