研究課題/領域番号 |
14350474
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
井上 将彦 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (60211752)
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研究分担者 |
阿部 肇 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (10324055)
藤本 和久 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (40334718)
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キーワード | 分子認識 / 人工ホスト分子 / 糖 / 核酸塩基 / ポリピリジン / ジアミドピリジン / ピレノファン |
研究概要 |
1.糖受容体の展開 糖化合物の官能基変換反応が分子認識により化学反応が制御できる可能性を調べた。具体的には、糖を認識するポリピリジン系人工ホスト分子(糖受容体)の有無が反応に与える影響を観察した。 まず、有機溶媒に可溶なオクチルグリコシドを基質とした均一・低温系中における糖水酸基のベンゾイル化反応に糖受容体を共存させたときの影響を観察した。原料の消費速度がホスト分子の有無により大きく異なっており、オクチル-β-グルコシドのベンゾイル化の場合ではホスト分子は阻害剤として、オクチル-β-ガラクトシドの場合では逆に促進剤として働くことが分かった。 次に、固-液複相系中におけるメチルグリコシドのベンゾイル化反応についてホスト分子の関与の可能性を調べた。糖を塩化メチレン中に懸濁液としてホスト分子とベンゾイル化剤を加え、一定時間超音波照射を施し、ベンゾイル化の様子を対照実験と比較した。その結果、位置選択性に若干の相違が現れることが分かった。 2.核酸塩基受容体の展開 核酸塩基を分子認識する場合、核酸塩基部位を水素結合の供与体としてとらえるか、平板状の芳香族化合物としてとらえるか、という2通りの見方がある。研究目的を達成するためにはどちらの方向で分子認識を行うのがよいかを知るために基礎的な検討を行った。ジアミドピリジン、ピレノファンをそれぞれ水素結合、疎水性相互作用による核酸塩基認識部位として選択し、分子構造、溶解性を調節するために適当な骨格を持たせた分子について人工ホスト分子としての能力を評価した。その結果、ジクヌレオチド、ATP等をゲスト分子としたときについて、ホスト分子の構造とゲスト認識能の間の相関、ゲストが複数の官能基を持つ場合にそのそれぞれを認識する多重認識能などについて、知見を得ることができた。
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