研究課題/領域番号 |
14350497
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷川 博一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60127123)
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研究分担者 |
橋本 竹治 京都大学, 工学研究科, 教授 (20026230)
竹中 幹人 京都大学, 工学研究科, 助手 (30222102)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | エレクトロントモグラフィー / 電子顕微鏡 / コンピュータトモグラフィー / ブロック共重合体 / 3次元構造 / ナノテクノロジー / 星形トリブロック共重合体 / テトラブロック共重合体 |
研究概要 |
本研究ではブロック共重合体のミクロ相分離構造やナノテクノロジー材料のナノ構造などナノメートルスケールの高分子集合体やコンポジットの構造を電子線トモグラフィー(TEMT)により3次元観察し、2次元像からはわからなかった構造を明らかにするとともに、ナノ3次元構造観察のためのTEMTの技術を発展させることを目的とした。平成14年度はアテネ大学との共同研究により提供されたポリスチレン(PS)、ポリイソプレン(PI)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)ポリ2ビニルピリジン(P2VP)の4成分からなる線状テトラブロック共重合体を用いた。TEMTにより前者はP2VPを軸にPDMSとPIがその周囲を取り囲んだ3相同軸シリンダー構造がPSマトリックス中に六方充填したミクロ相分離構造を示すことができた。平成15年度は、PS/PI/PDMSからなる3成分星形共重合体について、TEMTとエネルギーフィルター電子顕微鏡法(EF-TEM)を併用した3次元構造解析を行い、3相がそれぞれ幾何学的に非常に複雑な曲がった柱状構造をとることを明らかにした。また、PS-b-PI-b-PSトリブロック共重合体系におけるBCC球状構造を初めて3次元観察から明らかにするとともに、BCC球状構造からシリンダー構造への相転移過程を3次元観察し、その機構を明らかにした。さらに、モノグレイン構造と思われていた配向シリンダー構造においても、シリンダー傾斜角が僅かに異なるグレイン構造が存在することを見いだした。その他、ブロック共重合体に見られるHPL構造やミクロドメインの欠陥構造、さらには金属ナノ微粒子やシリカナノ微粒子を含むナノコンポジットの3次元構造の観察にも成功している。また、再構成したノイズの多い3次元構造データを可視化する場合、平滑化に必要な3次元メディアンフィルターを開発するとともに、3次元構造の内部観察に有効なソフトウエアの開発も行った。
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