研究概要 |
1.ポリマー修飾シリカのコロイド結晶のゲル中への固定化 アセトニトリル中でポリメタクリル酸メチルをグラフトしたシリカ(136nm)のコロイド結晶を形成させ、その分散溶液中へメタクリル酸メチルと1,2-ジメタクロイルエタンを添加して、光ラジカル重合を行うと、生成したポリマーゲル中ヘコロイド結晶構造が保たれた状態での固定化に成功した。この固定化における重合条件の最適化を行い、2ミリ厚セル中にて複合粒子の体積分率が低く、かつ重合速度が遅い条件が結晶構造の乱れの少ないゲルを与えることが明らかになった。また、アミノ酸誘導体ゲル化剤(ドデシイルN-カルボベンゾキシ-L-イソロイシンなど)を分散溶液へ添加すると、ゲル前とほぼ同じ結晶構造を有する有機ゲルが得られた。 2.ゲル固定化コロイド結晶の固化 上記操作で得られたゲルをビニルモノマーや環状ビニルエーテル中へ浸して、アセトニトリルと溶媒交換後、再び光照射によるラジカル重合を行ったところ、結晶構造を保持した固体ポリマーが得られた。しかしながら、そのポリマー中に包含されたシリカ粒子の配列距離はかなり収縮していることが明らかになった。この場合、ビニルモノマーにメタクリル酸メチルを用いたとき、シリカ粒子が配列した透明なフィルムが得られ、新規材料としての応用性が示唆された。 3.単分散な無機/シリカコア-シェル型微粒子の調製 シリカよりも高誘電率を示す無機微粒子のコロイド結晶形成と固定化を目指して、単分散な硫化亜鉛の微粒子(100nm)をコアとして、シリカをシェルにした球状複合微粒子の調製を行った。その結果、硫化亜鉛粒子表面からシリカ層が成長していることは確認されたが、その複合粒子がコロイド結晶を形成するものが得られるまでにはいたらなかった。
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