研究概要 |
1.シリカ配列ポリマーフィルムの作製 アセト二トリル中でポリ(メタクリル酸メチル)-修飾シリカのコロイド結晶を形成させて、メタクリル酸メチル、1,2-ジ(メタクロイルオキシ)エタンとラジカル開始剤を添加して光重合を行い、ポリマーゲル中へ固定化したコロイド結晶を作製し、さらにメタクリル酸メチルの光重合によって固化した透明なシリカ配列ポリマーフィルムを作製した。この断面をSEMおよびTEMによって観察したところ、シリカ粒子が3次元配列した構造が確認された。 2.グラフトポリマー鎖の排除体積効果に基づくコロイド結晶形成 シリカ粒子表面からのリビングラジカル重合によって、高分子量のポリ(メタクリル酸メチル)をグラフトし、有機溶媒中でのコロイド結晶形成を調べたところ、ポリマーのグラフト密度が低いシリカはコロイド結晶を形成したが、高密度のものでは結晶形成は観測されなかった。 3.コロイド結晶ゲルの光電効果 アセト二トリル中でポリ(メタクリル酸メチル)-修飾シリカのコロイド結晶を形成させて、アミノ酸誘導体ゲル化剤(ドデシイルN-カルボベンゾキシ-L-イソロイシンなど)を分散溶液へ添加すると、ゲル前とほぼ同じ結晶構造を有する有機ゲルが得られた。このゲルへ交流電場を印加すると、結晶格子の振動が観察された。この振幅は、溶液中でのコロイド結晶のそれと比べると小さいものであったが、その結果はフォトニック結晶への応用が示唆するものであった。
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