研究課題
基盤研究(B)
(1)小型観測ロケットに酸化剤旋回型ハイブリッドロケットエンジンを用いると、比推力の向上のみならず初期加速を小さく抑えることが出来るため、ペイロードを増加させることが可能となる。(2)液体酸素は、単一孔インジェクタの孔径が小さいほど霧化・気化しやすいが、グレイン内壁に沿って接線方向に噴射すると、壁面に液体の層を形成し気化が妨げられる。(3)液体酸素旋回型ハイブリッドロケットエンジンシステムを構築し、燃焼試験を実施した。着火は容易であり、噴射孔径が小さくインジェクタ上流圧が高い場合には、安定な燃焼が持続した。しかし燃料後退速度・C^*効率・Ispは、気体酸素を用いた場合と比べて低下した。この原因は、壁面付近に液体酸素が噴霧されることによる不十分な蒸発と、壁面での摩擦や気化に伴う酸素噴流の角運動量の減衰である。(4)液体酸素旋回型ハイブリッドロケットエンジンの性能を向上させるには、再生冷却ノズルを用いて液体酸素を燃焼室内流入させる前に気化させる必要がある。このノズルの熱解析を行い、推力1000N級の無酸素銅製の液体酸素再生冷却ノズルを設計・製作した。(5)酸化剤流量をノズル冷却剤流量とは独立して変えられる試験用ハイブリッドロケットエンジンを用いて液体酸素用再生冷却ノズルの性能評価を行い、ノズル内表面に酸化物が形成されたりすることなく安全に液体酸素を気化させることができた。(6)エンジンの大型化に伴い懸念される旋回及び諸燃焼性能の変化を把握するために、酸素ガスを用いる推力1500Nのハイブリッドロケットエンジンを設計・製作し、燃焼実験を行った。研究開始時に予想していなかった幾つかの問題が生じ、これらを解決するための液体酸素を使った再生冷却ノズルの解析と試作を行ったため、当初計画の完全遂行までには至らなかった。研究期間外ではあるが、今後引き続き液体酸素用再生冷却ノズルの詳細な性能評価と、これとマッチングさせた大推力・高性能なハイブリッドロケットエンジンの燃焼実験を実施し、初期目標の達成を試みることにしている。
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