研究分担者 |
肥後 靖 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (20156582)
馬場 榮一 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30274129)
茂里 一紘 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90011171)
陸田 秀実 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80273126)
岩下 英嗣 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60223393)
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研究概要 |
近年,船舶の大型化・高速化にともないこれら船舶による波が沿岸域の船舶,漁業施設に影響を与え人身事故を起こすまでに至り,その対策が求められている.こうした現象は水深が浅く幅が狭い水路で発生していることから,浅水狭水路における孤立波の実験並びに数値計算が行われているが,これまでは一様水深を対象とした研究が主であった.このため本研究では,本年度,水深変化を有する水路での船舶の造波現象を実験並びに数値計算により明らかにした. まず,幅0.6m,長さ43m,水路中央部で水深が0.2mから0.12mに変化する水路を広島大学船型試験水槽内に設け,波高計測ならびに砕波の撮影を行った.水路の水深変化により水深ベースのフルード数が1以下から1以上となる船速では,一様水深の水路では見られない高い波高の波が水深変化後に形成され砕波にいたることが判明した.この水路実験に相当する現象を差分法を用いて数値解析した.水路内で問題となる波の非線形性を考慮するために,支配方程式にはEuler式を用い,対流項はCIP法を用いて高精度化を図った.数値計算結果,水深変化後に形成される高波高の波は,水深変化前に形成された孤立波が水深変化後形成される波との重合によるものであることが判明した.さらに,水路水深は一様であるが水路幅が変化する場合について計算を行い,水路幅変化が波高変化に及ぼす影響は少なく,水深変化が大きく寄与していることをことを確認した. 続いて,傾斜1/10の海浜を模擬した水路を設け,波高計測ならびに砕波後の流れの可視化を行った.船の縦波の波高が汀線近傍で増加し砕波に至る現象を捕らえることができた.
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