研究概要 |
船殻を構成する曲板加工である線状加熱加工をデジタル化するためには,平板と曲板の座標位置の相対関係を数式化する研究と線状加熱加工の加熱方法と収縮・角変形の関係の明確化が必要である.今年度の成果として,線状加熱加工の熱量から収縮量および角変形量を計算できる数値解析手法が確立されたが,残念ながら平板と曲板の相対関係の数式化には成功していない.今年度の成果を次に箇条書きで列挙する. ○曲板の角変形に曲板の曲率が影響することを実験と数値計算で明らかにし,曲率半径が角変形に影響を与える機構を解明した.そして,現場で使用される捻れ,フレーム曲げを与える角変形作業では,実船での曲率半径は大きいため,平板の角変形の実験式が利用できることが明らかになった. ○線状加熱で使用される三角焼きのナレッジが微分幾何学から得られるトーラスモデルから推定できる速度変化で説明できることを,レーザフォーミングの実験と数値解析で明らかにされた. ○鞍形の熟練工のナレッジであるダイアモンド焼きがトーラスモデルを使用した速度変化で説明できることを,現場の調査結果およびレーザフォーミングを使用した基礎実験で明らかにした.
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