研究概要 |
昨年度の成果として,線状加熱加工の熱量から収縮量および角変形量を計算できる数値解析手法が確立された.今年度は平板から曲板を作るのに必要な収縮量を数式化することを試み,シミュレータを完成させることを目指した.今年度の成果を次に箇条書きで列挙する. 〇平板から曲板を作る工程は造船での現図展開の逆作業である.この点を把握して,造船所の現図展開機能を調査したが,ブラックボックスであり数式化が行われておらず,技能の技術化がなされていなかった.この点を1年間かけて,研究を行ったが,数式化にはまだいたっていない.しかし,測地線を使用すれば,収縮量が計算できることをトーラスモデルで確認する段階になっている. ○シミュレータを開発するための描画機能をソフトに装着するためにOpenGLを導入したVC++のソフトを作成した.トーラスのように限られた曲板に関しては,試作シミュレータで線状加熱過程が再現できるようになったが,一般の曲板には完全な適用状態になっていない. ○任意形状の曲板を平板から作成するためには,現図展開機能の数式化が必要である.ぎょう鉄における現場ナレッジで最も重要な点が平板に与える収縮量の分布を把握することであり,現図展開であることが明確になった.これにより,実用性のあるシミュレータとして具備すべき技術が明確になった.
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