研究概要 |
本研究の目的は,安価なPCクラスター並列計算環境におけるCFD,特にRANS法のコーディング技術の開発である.本研究では,特にRANS法およびその高度利用法,すなわち動的シミュレーションとRANS法応用船型自動最適化までを視野に入れた,コーディング技術の開発を目指す.本年度は初年度であったので,まず「4PCクラスター並列計算環境の立上げ」および「MPIプロトコル対応コーディング環境のパフォーマンス調査」,さらに「マルチブロック型RANS法の整備」を目標とした. その結果,2GBPS高速ネットワークで結合した24PCクラスター並列計算環境の立上げと,そのネットワーク環境の整備を行ったとともに,LINUX環境で稼動するMPIプロトコル対応のフォートラン・コンパイラー(フォートラン90)のインストールが完了した.さらに並列処理対応型・流力形状最適化手法のプロトタイプを開発し,そのテストプログラムを用いたパフォーマンス評価も行った.すなわち,適当なコーディングによって,計算スピードがプロセッサーの数にほぼ比例することを確認した. 本研究では,まずマルチブロックRANS法を並列計算に対応させ,そして計算空間を複数のブロックに分割し,各ブロックを別個のプロセッサーで計算させることにより,計算スピードの大幅な増加を目指す方法をとる.その方針に基づき,本年度ではマルチブロック型RANS法の整備も行い,将来並列計算対応のコーディングを行う準備を整えた. 以上の成果をもって,本年度の所期の目的はほぼ全て達成できたと考える.
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