研究概要 |
本研究の目的は,安価なPCクラスター並列計算環境におけるCFD,特にRANS法のコーディンク技術の開発である.本研究では,特にRANS法およびその高度利用法,すなわち動的シミュレーションとRANS法応用船型自動最適化までを視野に入れた,コーディング技術の開発を目指す.本年度は第2年度であり,「PCクラスター数の拡張」および「MPIプロトコル対応コーディング環境のパフォーマンス調査」,さらに「MPIプロトコル対応グリッド・ジェネレーターおよびマルチブロックRANS法のコーディング技術の開発」を目標とした. その結果,2GBPS高速ネットワークで結合した48CPU・PCクラスター並列計算環境への拡張とネットワーク環境の整備,さらにコマーシャルベースのマルチブロック型RANS法を用いたパフォーマンス調査を行い,本研究で構築したシステムは,特に中・大規模問題に対する並列計算を行う場合において極めて有望であることを確認することができた.加えて本研究で導入したMPIプロトコル対応の格子生成法とマルチブロックRANS法の開発,さらにRANS法援用・流力形状最適化問題の解法の開発にも着手した.特にSQP(Successive Quadratic Programming)とGA(Genetic Algorithm)に基づく最適化問題の解法に関しては,並列計算環境の応用が極めて効果的であることと,今後のさらなる検討によってより高効率の手法に拡張できる可能性を示すことができた. 以上の成果をもって,本年度の所期の目的はほぼ全て達成できたと考える.
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