研究分担者 |
大春 慎之介 中央大学, 理工学部, 教授 (40063721)
平田 法隆 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80181163)
土井 康明 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10134454)
安川 宏紀 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40363022)
陸田 秀実 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80273126)
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研究概要 |
典型的な閉鎖性海域である江田島湾を実海域試験の適地として選び,海域の特性を得るため,そこで生じる天候,水質計測およびプランクトンの増殖状況の観測を行うとともに,計測結果を基に数理生態モデルの構築を行った.計測には,リアルタイムモニタリングシステムを用いた定点における水質の連続計測に加えて潮流等の外部影響を除去する目的でメソコスムを用いた計測を行った.計測項目は,層水温,塩分濃度,溶存酸素,PH,クロロフィルa,栄養塩,プランクトン量とした.水深による光量の違いによりクロロフィル,溶存酸素,PHに有意な変化を観測した.メソコスム内外の比較により水平対流の影響を評価することができた.数理生態モデルは,溶存酸素,溶存無機態リン,懸濁態有機物,溶存態有機物を変数とし,補助変数として塩分濃度、水温を入力値として与えた.海洋モデルPOMをベースに開発した沿岸海洋モデルに,かき筏の抵抗および風況による吹送流を考慮し,広島湾内の流況シミュレーションを可能にした.さらに数理生態モデルを結合することにより流況を考慮した水質,生態系のシミュレーションを可能とする環境シミュレータを開発した,環境シミュレータを用いた解析により,かき筏による流況変化ならびにかきの捕食がプランプトンの増減に有意な影響を与えることがわかった.そして,かき筏の配置により流況ならびに生態系を制御し,ひいては赤潮を抑制する可能性を示すことができた.
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