研究課題/領域番号 |
14350528
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
奥野 武俊 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60081395)
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研究分担者 |
山田 智貴 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90240027)
中谷 直樹 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30326277)
細田 龍介 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30081392)
鈴木 敏夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80029107)
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キーワード | 沿岸域環境 / モニタリング / 海水の自動分析 / 画像計測 / 生態系モデル / データ同化 |
研究概要 |
昨年度までの研究から、クロロフィルを画像計測することによって流況を把握できるシステムがかなり有効であることを明らかにできたが、一方でこの手法には、クロロフィル濃度の低い場合に、大きな問題があることも明らかになった。本年度の研究では、これらの点を改善するために、マルチスペクトル画像を利用して、クロロフィル濃度を精度よく計測できる手法を検討した。可視光域における波長を選択的に複数のバンドで海面を撮影すれば、海面放射輝度のスペクトル分布を得ることができるが、この分布をからクロロフィルによる光の吸収度を求めて、その濃度を精度よく推定するものである。 また、海水に含まれる栄養塩を連続分析する手法については、昨年度はフローインジェクションを使った解析法を開発したが、それを発展的に援用すると、紫外線域の吸光度を計測することによって、特別な試薬を必要としない計測も可能となることを明らかにして、これを実用化するための基礎研究を行った。すなわち、海水に多量に含まれる塩素や、臭素の処理を、銀カラムを透過させることによって行う特殊なカラムを作成し、これを利用した紫外線域の吸光度を計測する方法で、実用化するためには、まだ問題はあるものの、かなり有効な方法と思われ、今後の研究に期待できる。 さらに、このような計測データと数値モデルによる結果との統合化については、本研究の最終目標であるが、これについては、太平洋における計測データを使って基礎的な検討が進められると共に、沿岸域の生態系シミュレーションについても進展し、モニタリングシステムのそれぞれのパーツに関する研究が出揃った。 次年度は、これを統合化すると共に、それぞれの手法についての実用化に関する検討が課題である。
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