研究課題/領域番号 |
14350530
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
資源開発工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木下 睦 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助手 (70261592)
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研究分担者 |
榎本 兵治 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (80005412)
菅井 裕一 秋田大学, ベンチャービジネスラボラトリー, 研究員 (70333862)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 超臨界二酸化炭素 / 抽出 / バイオマス / 有機廃棄物 / 対向流連続装置 |
研究概要 |
超臨界二酸化炭素は、炭化水素、アルコール、カルボン酸等の分子量の小さい無極性あるいは微極性の物質と完全に溶解するか、かなり高い飽和溶解度を有し、また、溶解力が温度や圧力によって大きく変化するので、温度や圧力の制御により、溶液中の有用成分を高純度で分離することが可能である。しかしながら亜臨界状態の高温熱水が共存する系では二酸化炭素の水相への溶解など不明な点が多く有機物の存在する系で分離・濃縮を最適化した流通式システムを設計するのは困難である。そこで、超臨界二酸化炭素を用いた、有機廃棄物の水熱反応によって生成する有用物質の抽出プロセスを考案した。有機廃棄物を高温高圧水中で水熱反応させると水溶性の有機物を含む水溶液が得られる。得られた水溶液に超臨界二酸化炭素を加え、水溶液から有機物を抽出する。その後、超臨界二酸化炭素相と水相とを分離し、超臨界二酸化炭素相を減圧すると、二酸化炭素は気化し、水溶性の有機物が高濃度で得られるというプロセスである。本研究ではこのプロセスの可能性を検討するため、向流連続抽出装置を作製し、低濃度の水溶性有機物水溶液から有機物を抽出する実験を行った。2wt%溶液を試料として実験を行い、微極性の1-ブタノールはほぼ100%の抽出液濃度と最大で60%の抽出率が得られ、濃縮効果が得られることが分かった。極性の強い酢酸は最大で12%の抽出液濃度と1%の抽出率が得られた。これらの実験によって、超臨界CO_2を用いてバイオマス廃棄物の水熱プロセスからの有用生成物を抽出するプロセスの可能性が示された。
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