研究課題/領域番号 |
14350536
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
菅原 勝彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60109668)
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研究分担者 |
小池 克明 熊本大学, 工学部, 助教授 (80205294)
尾原 祐三 熊本大学, 工学部, 教授 (50135315)
大谷 順 熊本大学, 工学部, 教授 (30203821)
佐藤 晃 熊本大学, 工学部, 助手 (40305008)
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キーワード | 地中輸送拡散 / 汚染物質 / 可視化 / X線CT / 造影剤 / トレーサー実験 |
研究概要 |
本研究は、地中輸送拡散に関する基盤研究であり、空間分解能に優れた産業用X線CTスキャナーとすでに蓄積したX線CTのノウハウを駆使し、地盤材料内部での輸送拡散の精密可視化を追求する点に特徴がある。 本年度は、研究計画の分担研究:「X線CTによる岩石中輸送拡散の可視化と拡散特性評価」、「X線CTによる土壌中輸送拡散の可視化と拡散特性評価」、「地盤材料における溶質拡散係数の空隙率依存特性の解明」、および「地中輸送拡散の不均質性・異方性分析と有限要素法解析」を計画通り実施した。 その成果として、動粘度が溶質濃度に依存しない造影剤を用いるトレーサー実験法を世界に先駆けて開発するとともに、従来困難であった飽和材料内部流れの可視化、並びに溶質の保存則に立脚する速度場解析に成功した。また、画像差分鮮鋭可視化技術を改良し、輸送拡散に係わる物理定数の評価に必要な巨視的1次元画像収録を計画通りに完了した。一方、輸送拡散の構造依存性を調べるために、空隙率10〜60%の多孔質人工材料を作成し、トレーサー実験法の適応性を調べるとともに、空隙空間分布に関するクリッキング評価技術を開発した。さらに、不均質性・異方性を考慮した2次元輸送拡散の有限要素法解析プログラムを製作した。これらの本年度の成果により、次年度の研究は計画通り実施可能となった。 とくに、トレーサー実験法による溶質拡散速度の揺らぎ解析などの世界的成果は、本グループが平成15年11月6日〜7日に熊本で開催する「X線CTの地盤工学への応用に関する国際ワークショップ」で成果発表する予定である。
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