研究課題
アブラナ科植物は、小胞子から効率的に不定胚発生を誘導することができる。この現象は形成した植物が半数体であるため育種手法として高い利用価値を持つと同時に、植物の発生・分化の理解という面からも重要である。本研究は、この小胞子から不定胚形成への転換機構を理解するために、(1)胚発生誘導初期に発現している遺伝子群の網羅的単離とそれら遺伝子の機能解析、(2)胚発生極初期から発現する胚特異的遺伝子22alのプロモータ解析および本プロモータを利用した不定胚発生へ変換された小胞子のみを単離する実験系の開発、を目的として行い、以下の成果が得られた。1.すでに単離したナタネの小胞子胚発生初期に特異的に発現する遺伝子群について、詳細な発現解析を行うため、シロイヌナズナにおける同祖遺伝子を利用したpromoter::GUS解析を行った。その結果、胚発生の初期に発現する初期型遺伝子は解析した5遺伝子いずれも受精胚での発現が観察されず、ストレス等により培養初期に誘導される遺伝子であることが推察された。一方、胚発生中期に発現する4遺伝子と後期に発現する1遺伝子は受精胚でも発現がみられることを明らかにした。2.P22alプロモータの5'デリーションシリーズを導入したシロイヌナズナにおいて発光基質を用いてレポーター遺伝子の発現強度を定量的に比較し、P22alの胚特異的発現を制御する104bpのエンハンサー様領域が存在することを明らかにした。この領域が4コピー重複した配列を酵母one-hybridベクターに導入し、この領域と結合するタンパク質をスクリーニングしたが、特異的結合を示す因子は単離できなかった。
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5th IVCHB (In vitro culture and Horticultural breeding) Synposium (Debrecen, Hungary), Book of Abstracts and Programme
ページ: 112
Abstract Book Brassica, Joint Meeding of the 14^<th> Crucifer Genetic Workshop and the 4^<th> ISHS Synposium on Brassicas
ページ: 193
育種学研究 6(別2)
ページ: 125