研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、油糧種子、とくにゴマ種子におけるビタミンE(α-トコフェロール)生合成能力を代謝工学的手法によって増強することにあった。1.ゴマにおけるビタミンE生合成経路に関わる酵素のうち、新たにHPT, MPBQMTおよびTCのcDNAクローンを単離し、それらの時間的空間的な発現様式を明らかにした。本研究の結果、すでに単離ずみのγ-TMTのcDNAと合わせて、ホモゲンチジン酸以降の反応ステップを触媒するすべての酵素のcDNAクローンを入手することができた。一方、γ-TMTのゲノミックDNAをクローン化し、その構造を解析した。2.ゴマ種子で特異的に高発現する遺伝子のうち、Δ9およびω-6の脂肪酸デサチュラーゼ遺伝子、2Sアルブミンおよびオレオシンの種子タンパク質遺伝子の5'上流調節領域をクローン化した。それらの構造解析を行ない、キャップサイト・マッピング法によって転写開始点を特定した。3.ゴマ種子特異的高発現遺伝子の5'上流領域あるいはダイズのG1グリシニン遺伝子のプロモーター領域の直下にそれぞれゴマγ-THT cDNAクローンを連結し、次に、それらのキメラ遺伝子をMATベクターに挿入し、アグロバクテリア感染を介して野生ゴマに導入した。感染後の再生植物体における導入γ-TMTの存在はPCRによって確認した。ダイズG1グリシニン::γ-TMTによる形質転換体では、生育が極めて悪く、種子の発芽能はほとんど失われていた。かろうじて得られた種子では、ビタミンEレベルは増大していなかった。一方、ゴマ2Sアルブミン::γ-TMTもしくはゴマオレオシン::γ-TMTの形質転換体は、現在、育成中である。また、ゴマのΔ9デサチュラーゼ::γ-TMTの場合は、アグロバクテリウム感染によるゴールが生じた段階である。
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