研究課題/領域番号 |
14360008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
作物学
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研究機関 | 独立行政法人農業環境技術研究所 (2003-2004) 北海道大学 (2002) |
研究代表者 |
長谷川 利拡 独立行政法人農業環境技術研究所, 地球環境部, 研究リーダー (10228455)
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研究分担者 |
酒井 英光 独立行政法人農業環境技術研究所, 地球環境部, 主任研究官 (00354051)
岡田 益己 農業, 生物系特定産業技術研究機構・東北農業研究センター・地域基盤研究部, チーム長 (10355274)
実山 豊 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (90322841)
小林 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10354044)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 大気CO2濃度 / イネ / 発育速度 / 品種間差異 / 葉身長 / シンクサイズ / 光合成速度 / 開放系CO2増加(FACE)実験 |
研究概要 |
本研究は、高濃度CO_2が水稲の発育、器官数、器官サイズに及ぼす影響を解明するとともに、高CO_2応答にいかなる遺伝子変異が認められるかを明らかにしようとする。そのために、発育、形態特性が異なる品種を、2種類のチャンバー(温度勾配型、屋外半閉鎖型)と開放系大気CO_2増加(FACE)実験水田で、2水準のCO_2濃度(外気および外気+200μmol/mol)で栽培した。初年および2年目には、坊主5号、きらら397(以上、北海道品種)、あきたこまち、ササニシキ(以上、東北品種)の4品種を供試した。いずれの年次も東北2品種の出穂期は高CO_2濃度によって早まったのに対し、北海道2品種では変化しないか遅くなる傾向が認められた。また、最終葉数および葉身長は東北品種では高CO_2濃度によって減少したのに対し、北海道品種では増加したか変化しなかった。すなわち、発育の遅速に関するCO_2と遺伝子型の相互作用は、出穂期のみならず、生産性に直結する葉数や葉身長のCO_2応答にも影響する可能性がある。3年目には、一穂穎花数に着目し、シンクサイズの遺伝的変異が生育の高CO_2応答に及ぼす影響を調査した。供試品種は農林8号とその着粒突然変異系統のRM645である。RM645は、二次枝梗が極めて少なく、一穂穎花数が農林8号の50〜60%であったが、高CO_2による地上部乾物重の増加割合は、6〜13%の狭い範囲にあり、有意な品種と処理の相互作用は認められなかった。いずれの実験においても、光合成の高CO_2応答の品種間差異は、主として葉色や葉身窒素の変異が関与し、草型やシンクサイズが光合成のアクリメーションに及ぼす影響は明らかではなかった。すなわち、高CO_2に対する精製反応の品種間差異は、主として発育、形態、窒素栄養に依存するものと推察された。
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